2016 Fiscal Year Research-status Report
高齢者施設で働く看護職の職務継続を目指して-WEに焦点を当てた介入-
Project/Area Number |
16K11967
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
金子 直美 神奈川工科大学, 看護学部, 助教 (70533206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小長谷 百絵 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (10269293)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ワークエンゲイジメント / 離職 / 高齢者施設 / 看護職 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の高齢化率が上昇する中、高齢者施設も増加している。継続的な医学的管理が必要な高齢者にとって、看護職の役割は非常に需要である。しかしながら、高齢者施設で働く看護職の離職率は病院で働く看護職に比べて高い現状にある。離職の要因を検討すると、職場の管理体制や業務などの組織運営方法が要因にあげられるが、他に本人の仕事に対する充実感やほこりなどの心理的要素、つまりワークエンゲイジメントが影響しているのではないかと推察する。 そこで、本研究は、高齢者施設で働く看護職を対象に、ワークエンゲイジメントに焦点をあてた教育プログラムの開発を目指すことを目的とした。 平成28年度は高齢者施設で働く看護職のワークエンゲイジメントに関する研究の動向を、国内外の文献検討を実施し、現状を把握した。その結果、国内外同様に高齢者施設で働く看護職を対象にしたワークエンゲイジメントに関連する文献は非常に少なく、研究をすすめていくことが急務であることが示唆された。 文献検討および研究者が一昨年度実施した離職と職務満足及びワークエンゲイジメントの関連についての研究結果をもとに、インタビュー調査(半構造化インタビューにおけるインタビューガイドの作成、インタビュー時に調査する質問紙)の準備を行うとともに、倫理審査を受け、パイロットスタディーを行っている段階である。 平成29年度は、上記結果を受けて、本格的にインタビュー調査を実施するとともに、ワークエンゲイジメントに焦点をあてたプログラムを開発していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度においての計画として、文献検討およびインタビュー調査終了までを目的としていた。文献検討においては、国内外の高齢者施設で働く看護職のワークエンゲイジメントに関する研究動向を把握することができたが、インタビュー調査の結果を出すまでには至らなかった。その理由として、インタビュー時に調査する質問紙の作成に時間がかかったことが考えられる。しかし、すでにパイロットスタディーも終了し、研究協力者を依頼する段階になっているため、遅れを取り戻すことができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はインタビュー調査を実施した結果をもとに、高齢者施設で働く看護職のワークエンゲイジメントに焦点をあてたプログラムの開発を目指す。当初の予定では、高齢者施設で働く看護職のみを対象にしていたが、看護職のワークエンゲイジメントを向上するためには、共に働く他職種も要因としてあがる可能性も出現している。そのため、具体的な方法についてはインタビュー調査をしながら検討し、より効果的なプログラムになるよう努力していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、平成28年に調査予定であったインタビュー調査が完了せず年度を終了したことが挙げられる。今年度計画していた予算の内訳の中で多くを占めているものが、インタビュー時に必要となる研究協力品や逐語録作成のための人件費および解析のための統計ソフト代であった。調査が完了しなければ支出されないものであるため、平成29年度に繰り越し、インタビュー調査を実施するとともに、確実に使用していくこととする。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に遂行できなかったインタビュー調査を前期に実施し、前年度の未使用分である研究協力謝品、逐語録作成の依頼、統計ソフト代等にて確実に予算を使用していく。 平成29年度においては、インタビュー調査とともに、開発したプログラムを実施する年度である。プログラムを実施する上で、参加者が安心して受講できるようにベビーシッターの依頼や、参加者の協力謝品、昼食代、プログラム行うために必要な機材を購入していくことが必要となる。これらが大きな額を占めるため、確実に実施・運営し、結果を出していけるよう努力していく。
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