2016 Fiscal Year Research-status Report
看護学生の自己超越及び成長に関する理論的モデル検証と教育的支援策に関する研究
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16K11976
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Research Institution | Fukuoka jogakuin Nursing College |
Principal Investigator |
星 美和子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (70433133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 美佐子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 准教授 (50320388)
藤川 真紀 福岡女学院看護大学, 看護学部, 講師 (30570121)
吉野 拓未 福岡女学院看護大学, 看護学部, 講師 (50711917)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護学生 / 自己超越 / 成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、文献検討、概念分析及び尺度開発を継続して行ったが、使用予定の尺度を用いて当初予定にはなかったパイロット調査を年度初めに実施した。自己超越に関する2つの尺度及びウェルビーイング概念規定について、本研究の対象となる大学生への信頼性や妥当性を確認する上で、試行的に調査を行うことが重要であると判断し実施した。調査は、ある1つの大学における看護学部生1年次から4年次生を対象に実施し、更に4年次生については、入学時学生と卒業間近の学生を比較するために、卒業前にも調査を実施した。現在、その調査結果を分析している。調査結果の一部についてはまとめており、平成29年の10月に開催される国外の看護学会で発表する予定である。 平成28年度末には、国外出張にて、尺度の翻訳に関する日本語の妥当性を国外の大学所属の研究者と検討し改善点を見出した。また、同じ国外出張で、自己超越理論の開発者である研究者を訪ね、試行調査結果について討議し、今後の方向性についての打ち合わせを行った。試行調査結果の分析によって、本調査へ向けての課題が明らかになったため、まずは概念規定と尺度の信頼性・妥当性の検討を行い、本調査に向けて研究の精度を高めることを重視することとした。従って、当初予定していた他大学への調査依頼等はまだ行っていない状況である。この打ち合わせでは、平成30年に予定している成果発表会における理論開発者の講演会についての依頼も行った。更に、看護系大学生への教育的方策への示唆を得ることを目的に、国際的にも評価の高い米国の2つの大学の看護学部の施設見学と授業・演習の視察並びに大学の看護教育に携わる看護教育者数名との意見交換会も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パイロット調査を実施したという点では、当初の計画よりも進展していると言えるが、パイロット調査の分析が遅れたことにより、分析結果の検討も遅れ、それが本調査の実施の遅れにつながっている状況である。この遅れの最大の原因は、大学の所属領域における構成員の欠員であると考える。本研究の研究者は、全員が同一の大学の同一領域に所属しているが、平成28年度はこの領域に2名の欠員が発生し、1年間補充が為されなかった。そのため、各研究者の教育負担が増大し、パイロット調査自体は終了していても、学期が終了する平成28年度末まで調査結果の分析を行うことができなかった。また、当初秋に予定していた、理論開発者らとの打ち合わせや意見交換会ののための国外出張も、教育負担増大のために、年度末まで延期せざるを得ない状況となり、結果として、本調査実施に遅れが生じた。 しかしながら、当初予定よりもかなり早い段階で試行調査を行ったこととその試行調査結果をもとに国外の研究者と議論を重ねたことにより、本調査へ向けた課題が明らかになった。本調査の実施は遅れている状況ではあるが、調査自体の精度を高めることが可能になったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画については、試行調査の詳細な分析を継続するとともに、研究打ち合わせで明らかになった課題(概念や尺度の精度向上及び研究目的に沿った研究対象者の選択)について検討を続け、本調査実施に向けての準備を終了させることを目指す。平成29年度中に本調査の研究倫理審査申請を済ませて承認を得て、平成30年度初めまでには本調査を実施したいと考えている。 同時に、平成29年度に参加する国外学会での発表を通して、国外の研究者との意見交換を行い、新たな知見を得た場合には、本調査に活用したいとも考えている。また、平成30年度に実施を予定している成果発表会における講演についても依頼は済ませているため、具体的に企画を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、まず、当初計画にはなかったパイロット(試行)調査実施により新たに検討が必要な課題が明らかになったため、本調査の実施に遅れが生じ、本調査実施用に計上していた経費が未使用であることが挙げられる。次に、本研究課題は当初2名の研究者で実施する予定で申請をしたが、教育的な観点からの意見をより取り入れたいと考え、採択後に研究者を2名追加したことにより、研究計画全体の見直しが必要となったこと、各研究者への教育負担の増大により当初予定していた国内学会に参加しなかったこと、最後に、国外出張が年度末になってしまったために出張経費の支出の収支状況への反映が次年度になったことも理由に挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は本調査実施へ向けての準備が進むため、そのための費用とする必要がある。また、当初予定にないパイロット調査を平成28年度に実施し、その調査結果についてのまとめが、複数の演題として国外の学会に採択されたため、各研究者の学会発表のための国外旅費の補助に使用する予定である。
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