2019 Fiscal Year Research-status Report
小児・若年者甲状腺癌の長期フォローアップ体制の構築
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16K11990
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
古橋 知子 福島県立医科大学, 看護学部, 准教授 (30295761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 敦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40224894)
鈴木 眞一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70235951)
鈴木 悟 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30222061)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 看護学 |
Outline of Annual Research Achievements |
【甲状腺検査を受ける小児がん経験者(CCS)への調査およびフォローアップ施行】では、雇用した「研究業務の補助・支援者」に、対象者個々の治療のサマリーおよび既存の「FOLLOW UP DIARY」の作成を依頼し、年度内に対象者全員分の作成に着手できた。同時に、対象者の外来受診の際に、研究の説明および依頼を行い、当該年度内には12名から同意を得て、フォローアップおよび実態把握を実施した。フォローアップを開始し、新たに甲状腺内分泌内科や婦人科などに紹介する例が出ている。また、この取り組みから、NPO法人 日本小児がん研究グループ発行の「FOLLOW UP DIARY(冊子体)」の一項である「治療のサマリー」の需要は高いこと、逆に血液検査結果などは別紙で渡されているため、それ以外の部分は活用される可能性が低そうであることが反応として見えてきた。 この結果は、前年度に準備していた【甲状腺癌に罹患した小児・若年成人への「長期フォローアップ手帳」の試用】に関しても、重要な示唆となった。2019年12月に「甲状腺癌取扱い規約」が改訂され、試作した甲状腺癌独自の手帳の内容修正が早くも必要になった。これを受け、甲状腺外科の医師およびフォローアップにあたる看護師2名への聞き取りおよび意見交換を行った。その結果、治療として化学療法は行われず、手術が主となる甲状腺癌の場合には、冊子体としての手帳は不要という見解に至った。本研究が目指す「小児・若年者甲状腺癌の長期フォローアップ体制の構築」のため、強化が必要な支援内容とその改善に向けたツールの準備、また長期的に評価が必要な3項目を明確化し、その実態調査を新たに計画することにした。 前年度に続いて【甲状腺癌に罹患した小児・若年成人の治療経過と要した治療・支援の実態調査】の結果について、11月に第17回日本小児がん看護学会学術集会にて示説発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
【甲状腺検査を受ける小児がん経験者(CCS)への調査およびフォローアップ施行】を開始してみると、定期受診が年1回の方もおり、また外来受診は同日に複数科や複数名重なる場合なども多くあることがわかってきた。その場合に、研究の説明および依頼のタイミングを逸してしまうことがあり、想定していたよりも順調には進められなかった。 【甲状腺癌に罹患した小児・若年成人への「長期フォローアップ手帳」の試用】に関しても、2019年12月に「甲状腺癌取扱い規約」が改訂となり、4年という単位で規約が改訂となることや、内容としても大幅に変わるということを経験した。この経験と【甲状腺検査を受ける小児がん経験者(CCS)への調査およびフォローアップ施行】から得られた示唆を踏まえて、計画を見直し、修正する必要性が見えた。
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Strategy for Future Research Activity |
【甲状腺検査を受ける小児がん経験者(CCS)への調査およびフォローアップ施行】は、前年度の取り組みを継続し、対象者全員に研究の説明および依頼を行う。そして、フォローアップおよび実態把握の結果についてまとめていく。 当初【甲状腺癌に罹患した小児・若年成人への「長期フォローアップ手帳」の試用】として計画していた内容については、平成31年度・令和元年度に見出した方針に従い、新たな研究計画として立案する。そして、倫理委員会に新規申請を行い、承認を得た後に、計画に基づき、強化が必要な支援内容とその改善に向けたツールを活用し、長期的に評価が必要な3項目に関する実態をまとめていく。 これらの結果から、「小児・若年者甲状腺癌の長期フォローアップ体制についての示唆を得ていく。
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Causes of Carryover |
【甲状腺検査を受ける小児がん経験者(CCS)への調査およびフォローアップ施行】のために、初年度の予算として備品設備費を計上していた。これまでの準備期間に、半分の機器(ノートパソコン)は購入し活用してきた。平成31年度・令和元年度に調査を実施してみた結果、既存の機器で対応が可能であった。次年度の調査を進めるなかで、購入の必要性については検討することとした。 また、当初の予定では、平成29年度および平成30年度に使用予定として予算計上していた「人件費・謝金」は、研究の進行の遅れのため、平成31年度・令和元年度に続いて、令和2年度に使用していくこととなっている。 【甲状腺癌に罹患した小児・若年成人の治療経過と要した治療・支援の実態調査】結果についての学会発表は1件に留まったこと、さらに研究分担者は学会に参加ができず、その分の「旅費」が発生しなかった。
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Research Products
(1 results)