2018 Fiscal Year Research-status Report
病床機能分化を支える看護実践能力評価を組み込んだ病棟看護師配置数算定モデルの構築
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16K12009
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
阿部 祝子 東京医科大学, 医学部, 教授 (40575693)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 看護実践力 / 目標管理 / 目標評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
3病院看護部を対象に調査を進めた.看護実践能力を目標管理における目標評価の側面で調査した.看護部長へのインタビュー調査では,目標評価を年2回実施していた.看護スタッフの評価は,病棟中間管理者が教育担当者,プリセプターなどの意見を総合し,面談で実施していた.評価項目は,設置母体が全職種共通の設定項目を各病院の看護部がアレンジし設定していた.また,評価では,評価者が想定する経験年数の看護師像を基準に目標に対する努力の程度を判断していた.評価結果は賞与・昇給に反映されていた.ほとんどのスタッフはスタンダードに昇格し,ごく一部が現状維持あるいは昇給につながっていた. スタッフへの質問紙調査では,各病院で目標評価の意識が異なった.1病院では,約70%のスタッフが目標評価の意味がない,負担であると回答した.2病院では約70%が目標評価の目的を理解し取り組んでいるという回答であった.スタッフの経験年数が長い方が目標評価の目的や評価の効果をネガティブにとらえ,評価者の主観に頼る評価と受け止める傾向があった.評価結果については納得しているという回答が多い反面,具体的な伝達方法を知る回答者は少なかった. 調査の結果,同一設置母体でも病院により評価の捉え方が異なった.それは,地域,スタッフの年齢構成,定着率,組織トップの考え方,取り組み方などが影響を及ぼしていると考えられる.また,経験年数が短いほど,新しいスキルの獲得が自覚的にも他覚的にも確認しやすく,目標達成の意識もそれに比例し高くなっていると考えられる.逆に経験年数が長くなれば,新しいスキルの獲得機会は少なく,目標として看護実践力より組織マネジメントの観点が要求されるようになることも影響していると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
申請段階で予定していた研究対象病院が遠距離であり,対象病院の設置母体の人事管理システム・目標管理の見直し作業,看護部長の異動などに伴い,調査タイミングが計れず調査が3病院にとどまり,データ収集に遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象予定の残る4病院での調査を急ぐとともに,近隣の病院看護部に調査協力を求め,データ数を確保する.そして,データ集計,分析,結果の公表を進める.
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Causes of Carryover |
病院看護部の調査が遅れているため,その調査旅費及び通信費が必要である.また,調査結果の公表のため,学会参加費及び旅費が必要である.
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Research Products
(1 results)