2016 Fiscal Year Research-status Report
中高生への子宮頸がん予防啓発に向けた教育支援ーピアエジュケーションの実践と評価ー
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16K12066
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
砂川 洋子 琉球大学, 医学部, 教授 (00196908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照屋 典子 琉球大学, 医学部, 助教 (10253957)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 子宮頸がん / 予防啓発 / 教育支援 / 中高生 / ピアエジュケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国におけるがん患者は、年々増加傾向にあり、国民の2人に1人が生涯でがんに罹患する時代となっている。多くのがんは、生活習慣などと関連するとされており、若い世代から、がんを正しく理解し予防するためのがん教育が重要であると報告されている。 そこで、本研究では、沖縄県内の中高生を対象として、がん教育を介入実施するための示唆を得ることを目的として意識及びニーズ調査を実施した。高校生では、1609人(86.6%)から有効回答が得られた。男子生徒801人(49.8%)、女子生徒808人(50.2%)と同等の割合であった。 がんのイメージは、暗い感じ、痛い感じ、怖い感じのネガティブイメージが高かった。怖い感じを選択した理由は、「がん=死のイメージがある」、「がんは治りにくく治療が苦しそうだ」などの項目が高得点であった。がん予防についての関心度は、「関心がある」、「まあ関心がある」をあわせると5割程度であった。がんについての情報源は、テレビや新聞などのメディアよりが9割と最も多く、次いで、映画や闘病記、インターネット、家族で話題にする等は、各々2から3割であった。がんについての知識度では、「日本人の2人に1人ががんになる可能性がある」、「がんの中には、ウイルスが原因で罹るがんがある」、子宮頸がんは若い世代にも増えている」、「子宮頸がんの原因はHPVであり、性交渉によって感染する」などは得点が低かった。学校におけるがん予防に関する授業や体験者の講話を聴く機会については、8割以上が受講を希望していた。 今回の調査より、高校生のがんに対するイメージは、怖い、苦しいなどのネガティブイメージが高く、がんに対する知識度も全般的に低い傾向にあった。中学生(N=827)の解析結果もほぼ同様であった。今後は、がんを身近に感じる機会を増やし、予防を含めた正確な情報を普及啓発していくなどのがん教育の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一段階のニーズ調査(中高生を対象としてのがん教育に向けての実態調査)はほぼ順調に実施することができた。調査結果よりニーズを同定し、第二段階調査に順調に進むことができる。調査に協力して頂いた中学校7校、高等学校7校に調査結果の報告も順調に実施可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
第二段階調査 1.がん教育(子宮頸がん含む)を担う看護学生の募集と教育支援プログラム構築 ①プログラム作成にあたっては、学校現場でがん教育を実施している先進地の視察研修を、研究代表者、分担者が実際に活動状況を見学する。②がん教育の実施介入を担当するピアサポーターは、女子看護学生より募集する(子宮頸がんの予防啓発にも興味関心があり、中高生への教育支援を行うことで、共に成長できる人を条件とする)。③先の意識調査結果と見学したプログラム内容をもとに、ピアサポーター養成研修会プログラム内容を検討し決定する。 2.ピアエジュケーションによる中高生へのがん予防啓発活動としての実践とその評価 ①本調査を実施させて頂いた各中高校の中から、沖縄本島の中学校1校、高等学校1を校を選定し、協力を依頼する。②実際に教育支援にあたっては、調査結果報告を兼ねなら、「がんを正しく理解する!予防や検診受診の重要性など」、「もっと知ってほしい!子宮頸がん予防のこと-未来のあなたとあなたの大切な人のために!-子宮がんってなに。どうして罹るの。予防について学ぶ」のセミナーを実践する。③セミナー開催にあたっは、プログラム作成(調査報告、患者会代表(自身ががんサバイバー)の講話、ピアサポーターによる介入)し実施する。④セミナー参加後には、アンケートを実施し評価を行う。
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Causes of Carryover |
データを処理するためのデスクトップ型パソコン一式とデータ解析ソフトSPSSの購入が年度内に遅れてしまい、既存のパソコンを使用しているが、古くなっているので変え替えが 必要である。また、データ入力にあたっての雇い上げができなかったため、人件費を繰り越ししている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
デスクトップ型ノートパソコン一式の購入 200,000円 統計ソフトSPSSの購入 120,000円を予定している。
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Research Products
(1 results)