2018 Fiscal Year Annual Research Report
PROTECTIVE MEASURES TO MINIMIZE CYCLOPHOSPHAMIDE ; INDUCED EXPOSURE RISK AFTER URINATION IN BREAST CANCER PATIENTS
Project/Area Number |
16K12069
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
牧野 智恵 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (60161999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 昇 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (10156317)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 外来化学療法 / 唾液 / トイレ / 暴露 / シクロフォスファミド / 乳がん患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、乳がん患者への標準治療に利用され、また投与後48時間以内で排泄率の高い抗がん剤(シクロフォスファミド;以下「CPA」とする)の尿や唾液からの排泄物への検出量を測定し、施設内外での暴露予防の支援法を検討をすることである。2016年~2019年の4年間で主に以下の3つの調査研究を行った。①北陸3県の病院における抗がん剤暴露防止の支援の現状調査を行い、47施設からの回答が得られた(有効回答率30.3%)。②排泄環境におけるCPA汚染の実態調査をおこなった。その結果、ガイドラインにそって、排泄後トイレ水洗を2回を実施することによって、便座裏面に付着するCPA値が上昇していた③外来化学療法を受ける乳がん患者の唾液からのCPA排泄状況を調査した。外来でCPAを含む化学療法を受けている乳がん患者に治療直後から64時間以内の唾液採取(1ml)を依頼し(朝夕)、計6回の唾液採取後、シオノギ分析センターにて唾液中CPA濃度を検出した。治療直後から64時間以内の時間経過で唾液からのCPA濃度のピークから減退状況について解析した。その結果、唾液から検出された、直後のCPA濃度は、15.4-48.5 (30.5±8.0(SD)) mg/mLであり、時間経過とともに、指数関数的減衰がみられた。乳がんは、他のがんと比べ好発年齢が若く、患者は子育て中であることが多い。唾液からのCPAは未変化体であり周囲への影響は大きく、外来化学療法を受ける乳がん患者・家族への曝露防止支援は重要である。今後、外来化学療法を受ける患者への帰宅後の生活指導として、治療当日の唾液からの曝露の危険性を念頭に、調理・食事の際の箸の利用や、歯ブラシの洗浄方法などをふまえた指導が必要である。また、高齢、貧血によって、薬物代謝が遅くなり、そのため唾液からの排泄が長引いたと考えられる。
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