2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢がん患者と家族の療養移行期に関する意思決定支援の評価
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16K12080
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
森 一恵 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (10210113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 知子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (00314922)
千田 睦美 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (90305269)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢がん患者 / 意思決定支援 / 家族看護 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】プレテストを行い、得られたデータを分析・検討し、高齢がん患者・家族の意思決定支援のコミュニケーションツールのより効果的で実施可能な方法について検討する。高齢がん患者とその家族に対する意思決定支援における介入のポイントとアウトカムについても分析し、評価方法およびその指標の信頼性・妥当性についても検討する。また、高齢がん患者とその家族の意思決定支援のコミュニケーションツールの研究協力が可能な施設で研究倫理の承認を得て介入及びデータ収集を行う。また、事前に研究協力を頂く看護師にプログラムの目的と方法を説明し、研究方法について理解を得る。 【研究実施計画とその成果】プレテスト(平成29年10月~11月)は、既に治療の終了した高齢がん患者とその家族2組にプログラムを施行し、パンフレットの使用感や課題について聞き取り調査を行った。健康に問題のない高齢がん患者を対象にしたためか、意思決定の過程を振り返って詳細を語ることが難しいことと、家族は現在の健康な状態で今後のことを話しあうことの必要性を認識していたが抵抗感があることがわかった。 プログラムを適用した介入群のデータ収集(平成29年3月~)について:プレテストの結果から、高齢がん患者とその家族のそのため非介入群のデータ収集を施行するのは困難で、対象者(高齢がん患者とその家族)の協力を得ることが難しいことが予測された。そのため介入群のみの前後比較を行うデータ収集方法に変更した。がん専門病院ではないがん診療連携拠点病院2施設で研究倫理審査を受け承認を得てデータ収集をすすめているところであるが、事前に研究協力者の看護師と十分にデータ収集方法とプログラムの進め方について2回の学習会を行った。1施設では、平成29年度の対象者は得られていない。またもう1施設では2事例を得たところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「高齢がん患者と家族の治療選択の準備のための意思決定支援の評価」として治療を行っているがん診療連携拠点病院2施設で研究のための倫理審査の申請を行い、承認を得て対象者のリクルートを行ってきた。認知症のない高齢がん患者はひとりで受診することが多いことや、手術を受ける場合に家族が同席しても仕事や家事の都合で、医師の説明を受けるときや入退院の手続き以外で病院に来る機会が少なく高齢がん患者の対象者は得られても家族の参加が得られない状況が続いていた。この1年でのデータ収集が殆ど進んでいない。そのため、新たにがん診療連携拠点病院1施設を追加する予定である。対象となる疾患を消化器腫瘍の内視鏡的切除術で入院して行う65歳以上の認知症のない高齢者に限定して、対象者を紹介していただく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
この1年でのデータ収集が殆ど進んでいない原因については、家族への介入の機会を得ることが困難な状況であることが大きい。そのため、高齢がん患者が入院中に介入を行い、1ヵ月後のデータ収集方法の変更を検討し、診療科を絞り頻回に対象者のリクルートを行うようにすることで対象者数を増やせるよう検討している。 また、終末期の意思決定についてはがんによる場合だけでなく、慢性疾患による急性転化の時期に備える必要があることを高齢がん患者とその家族や研究協力の看護師から要望があった。本研究のデータをもとに、慢性疾患の急性転化に備えるための示唆も得る必要があり、今後の研究の方向性について検討する。
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Causes of Carryover |
データ収集を促進するために、頻回に各施設を訪問する必要があること、研究協力施設を一つ増やして3施設になったことで交通費と質問紙などの準備に経費がかかり、昨年までに十分なデータ収集ができていなかったための経費を繰り越して用いる予定である。 また、最終年度であるため研究データの分析について研究分担者と会議を持つ必要がある。
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Research Products
(2 results)