2020 Fiscal Year Research-status Report
不育症女性の精神的支援-ピア・カウンセリングの効果-
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16K12094
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片岡 久美恵 岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (20613780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中塚 幹也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 不育症 / ピア・カウンセリング / 精神的支援 / 情報提供 / 流産 / 死産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,不育症女性におけるピア・カウンセリングによる精神的支援の効果を具体的に明らかにすることを目的としているが、本年度は、新型コロナウイルスの感染が拡大したため実際にピア・カウンセリングを開催することができず、オンラインでの開催が1回/年度のみに留まった。そのため、自律神経活動など実測するデータを得ることができなかった。 そこで,2012年~2017年にA大学病院を受診した不育症女性(302名)を対象とした調査を分析したところ、不育症について、誰にも相談できていない人は2.3%存在していた。ピア・カウンセリングを希望する人は68.8%であった。ピア・カウンセリングを希望する人は,希望しない人に比較して気分・不安障害のスクリーニングであるK6スコアが有意に高いことが明らかとなった。また,孤独を感じる人は全体の31.1%で存在しており、孤独を感じる人は、有意にピア・カウンセリングを希望する傾向があった。ピア・カウンセリング希望の有無と年齢,流産回数,生児の有無での検討では有意差は認められなかった。この結果から、不育症について、誰にも相談できない対象者がいることを認識し、個人の状況を考慮した上で、不育症女性が希望するときには精神的支援として、ピア・カウンセリングを受けられる環境の整備を推進することが必要であると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染防止対策のため、人々が集まって行うことに意味があるピア・カウンセリングを開催することができなかった。また、参加者からの希望があり、1回のみオンラインで開催した。しかし、オンラインでの開催では、自律神経活動などを実測することができないため、今年度の目標であったデータ数を増やすには至らなかった。 インタビューに関してはデータを収集することができたが、分析するに至らなかったので、分析し論文化する時間の確保が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、新型コロナウイルスの感染の状況を見据えて、感染防止対策が徹底できることを確認したうえでピア・カウンセリングを開催し、参加者の協力を募り、データ数を増やすことが可能であれば分析を完了させる。また、質的なデータも分析し論文作成を目指す。そのための時間を確保する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大でThe 32nd ICM Triennial Congressが延期になったため差額が生じることとなった。さらに、データ数を増やしデータ分析を進め論文化へ向けて活動するために使用する。
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Research Products
(3 results)