2017 Fiscal Year Research-status Report
AIDで生まれた人の「出自を知る権利」を保障するための教材作成に関する研究
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16K12111
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
清水 清美 城西国際大学, 看護学部, 教授 (70323673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙波 由加里 お茶の水女子大学, ジェンダー研究所, 特任リサーチフェロー (00565872)
久慈 直昭 東京医科大学, 医学部, 教授 (80169987)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非配偶者間人工授精 / 生まれた人の出自を知る権利 / telling |
Outline of Annual Research Achievements |
AIDで親になった人の「子どもへの告知(telling)について」意見を収集すべく、自助グループにアンケート調査を実施し、女性25名、男性22名から回答を得た。【生まれた子へのtelling】については「予定している(実施した)」が男性21名(95.5%)、女性20名(80.0%)だった。tellingの主な理由には、「何も恥じることでないので」「ドナーへの感謝も含めて話すつもり」があった。また、【提供者の情報開示はどこまで必要か】については、「個人が特定できる情報(名前・住所・写真等)」男性13名(51.9%)、女性15名(60.0%)。「個人が特定できない情報(性格・趣味・医療情報)」男性3名(13.6%)、女性5名(28.0%)。「近親婚を避けるための情報」男性3名(13.6%)、女性2名(8%)だった。各々の理由には、「子どもが望んだときに、ドナーを知ることができる法整備は急務」「ドナーの気持ち、子どもの気持ち両方を尊重した対応を望む」「少なくとも医療情報や近親婚を防止する制度を作ってほしい」があった。一方、反対意見は男女各々1名で、主な理由に「これでドナーが減るとなると困る」があった。自助グループという特殊な団体ではあるが、久慈ら(2002)の調査に比較し、親の「子どもへの告知(telling)」について肯定的であること、ドナーを特定できる情報も半数が求めていることが明らかになった。研究の成果物である教材(冊子)に掲載する親の体験については、上記自助グループの有志から情報提供を受けることとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HPや文献を用いて国外(イギリスおよびオーストラリア)の親およびドナーの「生まれた人の出自を知る権利」に関する意見収集は、29年度内に終了予定であったが、収集時間を確保することが難しく、現在も実施中である。8月末までには終了予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
国外の親およびドナー情報の収集を合わせ、日本の親の体験記を収集し、本研究の最終目的である、成果物「教材作成」を3月までには終了する予定である。
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Causes of Carryover |
国外調査が遅れているため予定していた旅費、人件費等が未使用となっている。次年度は、最終年でもあり、積極的に国外調査を実施していく予定である。
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