2017 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸がん予防に関する母親の意思決定を支援するサポート・プログラムの構築
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16K12117
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
塚本 康子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60310554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 明美 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (40390017)
下山 博子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (60434461)
淺島 宏美 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (70649508) [Withdrawn]
小山 歌子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (70727346)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がん教育 / 子宮頸がん / 子宮頸がん予防ワクチン / 子宮がん検診 / がん予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の20歳代・30歳代女性の子宮頸がん罹患率の急増と、がん検診受診率の低さから、子宮頸がん予防対策の検討をした(平成24~27年度科学研究費補助金基盤研究C)。成果として、娘を持つ母親の意思決定を支えるサポートが必要と考え、本研究に取り組んだ。 平成29年度は、前年度に実施した調査結果を分析し、学術誌に論文投稿した。若い女性である看護系女子大学生を対象とした調査結果から、ワクチン接種率73.9%、子宮頸がん検診受診率17.4%と高率であること、公的助成の対象でない年齢や大学入学後にワクチン接種している実態が明らかとなった。「自分」自身でワクチン接種を決定した女性は、「母親」によって決定した女性より基礎知識の保持状況が良好であった。子宮頸がんを自らの問題として捉え、必要な知識を持ち、自ら正しい予防行動がとれるように青年期前の啓発教育の必要性が示唆された。 また、情報として、国立がん研究センター「がんに対する意識調査」、文部科学省平成28年度「がん教育総合支援事業成果報告会」、文部科学省「がん教育推進のための教材」、文部科学省「外部講師を用いたがん教育ガイドライン」について検討した。「がん教育」に関して、政府と文部科学省では平成29年度から全国展開を進めている。学校におけるがん教育の目標として、①がんについて正しく理解する、②健康といのちの大切さについて主体的に考える事ができるようにするをあげ、教育の具体的な内容として、がんとは、がんの種類とその経過、わが国のがんの状況、がんの予防、がんの早期発見・がん検診、がんの治療法、がん治療における緩和ケア、がん患者の生活の質、がん患者の理解と共生をあげていた。 現在、「女児を持つ母親の子宮頸がんワクチンに対する認識の経年的変化」、養護教諭対象の調査結果について分析、学術誌投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年3月「学校におけるがん教育のあり方について報告」、平成28年4月文部科学省「外部講師を用いたがん教育ガイドライン」、文部科学省「がんの教育総合支援事業成果報告会」というように、厚生労働省のがん対策と並行して、文部科学省から「がん教育」に対する方針が提示され、「がん教育」平成29年度から展開されてきている。現在まで行われてこなかった学童へのがん教育は始まったが、実際の教育の場に立ち会ってみると、教育内容や方法は現在も検討段階と思われた。そういう状況をふまえて、文部科学省の方針など方向性を確認した上で本研究を進めていきたいと考え、動向や実態の確認に時間を要したため、遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
若い女性である看護系大学女子学生の子宮頸がん予防に関する実態調査を実施し、子宮頸がん予防ワクチン接種率や子宮頸がん検診受診率、基礎知識の実態などを明らかにした。すでに学術誌に論文投稿した。 母親の子宮頸がんに関する実態調査については、アンケート調査を計画していたが、個々の認識の変化を深く分析する必要性から、経年的にインタビューした結果を質的に分析し、母親の子宮頸がん予防に関する認識の変化を明らかにした。学会発表はすでにしており、現在、論文投稿準備中である。 がん教育については、国の方針の転換期ともいえる時期でもあり、文部科学省の「がん教育」に対する方針の理解と同時に、学童に対して実施されている「がん教育」の実際をさらに調査する予定である。 以上のことから、平成29年度実施を計画していた、高校生・大学生の健康意識を高めるための健康教育、養護教諭が学童に対して行うがん予防のための健康教育、母親のためのがん予防健康教育プログラムについては、平成30年度に実施することとする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、平成29年度に予定した健康教育プログラム実施を見送り、厚生労働省と文部科学省の方針と動向を検討してきたためである。実施予定であった①高校生・大学生の健康意識を高める健康教育、②養護教諭が学童に行うがん予防健康教育、③母親のためのがん予防健康教育の実際が未実施であるためである。 研究計画の遅れから生じているものであり、今後の使用計画として、計画通りにプログラムを実施すること、予定どおり健康教育を開催し、会議費、会場費、専門知識の提供として講師への謝金、学会発表と学術誌への投稿費用を追加する。
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Research Products
(1 results)