2017 Fiscal Year Research-status Report
就学前年齢に達した低出生体重児の親に対するポジティブ・ペアレンティング
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16K12125
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
石原 あや 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (20290364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 佳奈美 摂南大学, 看護学部, 教授 (30252703)
柳川 敏彦 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (80191146)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / トリプルP / ペアレンティング / 要支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、要支援児(援助がなければ健康や発達が達成できない可能性のある子ども)のうち最多の割合を占める低出生体重児の中でも、重篤な合併症等がなくおおむね順調な経過を辿っている子どもの親を対象に、就学を控えた時期の発達上のニーズにあったポジティブペアレンティングプログラム(トリプルP レベル2)を実施し、その効果の検証を行うことである。 平成29年度は、就学を控えた4~6歳の子どもの育児をしており、子どもの状況としては、在胎36週未満、出生時体重1800g以下で出生し、重篤な合併症のない子どもの母親を対象とした育児に関するニーズ調査を実施した。主な調査内容は、出生時の状況、成長・発達で心配だった時期やその内容、一段落ついたと思えた時期、現在の育児の困りごとや楽しさを感じること等である。 平成29年11月~平成30年3月までの期間で、5名の母親へのインタビューが終了しており、10名を目安に調査を継続中である。分析は今後実施するインタビューと合わせて行っていくが、データの概観としては、NICU退院直後から1歳くらいまでが最も心配だった時期であったこと、子ども自身の力を実感し3~4歳で一段落ついたと思えるようになっていること、育児に関する大きな心配事は少なくなってきているが、発達障がいの可能性、言葉やコミュニケーションの問題、手先の不器用さに関すること、通常の発達との比較が難しいこと等が現在のニーズとしてあげられていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象者の外来受診終了時に研究協力の依頼を行っているため、当日の受診内容、対象者の都合により、インタビューへの協力が得られないことがあった。また、選定条件を満たす対象者の受診日と研究者の都合が合わないこともあり、一定の期間に集中してインタビューを行うことが難しかったことなどにより遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の前半に目標の10例までインタビューを実施し、就学を控えた時期にある低出生体重児の母親の育児ニーズ調査を終了させる。この調査結果をもとに、ペアレンティングプログラムの内容、具体的な実施計画を検討する。 現在の研究協力施設のみでは、プログラムを実施するための対象者数が不足することが予測されるため、他の施設への協力依頼も検討する。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、今年度にペアレンティングプログラムの実施を予定していたため、プログラム実施に必要な教材・物品の購入、人件費、参加者への謝礼、研究成果発表のための旅費等を計上していた。しかし、今年度はプログラム実施の前段階のニーズ調査のみとなったため、この経費が持ち越された。 次年度の使用計画は、継続中のニーズ調査費用として約15万円(交通費、謝礼、インタビュー中のベビーシッター委託料、データのテープおこし等)、ニーズ調査の成果発表の費用約15万円(学会参加費、旅費等3名分)、ペアレンティングプログラム実施費用約60万円(研究打ち合わせにかかる旅費、ファシリテーターへの謝金、ベビーシッター委託料、プログラム教材の購入、アンケート回収に伴う通信費、事務用品等)、その他約10万円の支出を予定している。
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