2017 Fiscal Year Research-status Report
効果的な分娩介助演習のための模擬産婦のフィードバックに関する能力開発と評価
Project/Area Number |
16K12155
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
鈴木 幸子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (30162944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 邦子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (70247302)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分娩介助演習 / 模擬産婦 / フィードバック / フィードバック・マニュアル / フィードバック研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)前年度の研究成果から、フィードバック(以下FBとする)場面の逐語録からの効果的なFBの要素を抽出の分析により、双方向性の会話のやりとりがあること、学生の気づき促す(自己評価が明確になる)ことを要素として抽出したので、それをもとにFBマニュアルを改訂、事前に出来事を整理してFBに望むためのFB用紙の改定を行い、FB研修を企画した。 2)FB研修は半日間のプログラムとして、すでに模擬産婦養成プログラムを受講済みで模擬産婦の実践をしている7名に対して実施した。 3)3大学において7名の模擬産婦が参加して分娩介助演習を実施し、模擬産婦から以前よりFBがやりやすかったという評価を得た。 4)模擬産婦との演習をした合計24学生のFB場面を録画し、逐語録を作成した。 5)FB場面の逐語録と学生が提出したFB用紙をデータとして、双方向性で学生の気づきにつながる効果的なFBかどうかを検討した結果、以下の改善をすることになった。①学生用FB用紙のシナリオ場面ごとの区切りと模擬産婦への質問欄があるために無理やり場面ごとの自己評価や質問を作り出している傾向がみられたため、それらを削除した。②学生がまず自己評価を述べ、次に模擬産婦がそれを受けてまとめてFBするのではなく、学生が注目した事実毎に模擬産婦がフィードバックする。③学生の主体的学びを促すために、教員がファシリテーターとなって同席し、模擬産婦も学生に問いかけFB中の学生の認識を確認する。④演習前に模擬産婦が参加する演習の目的についてよく説明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FB用紙とFB方法を変更したため、介入前の逐語録と比較することが難しくなり、今回のFB研修後の演習時のFBのみを評価した。これ以外は、ほぼ計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)フィードバックマニュアルの部分を加えた模擬産婦養成プログラムの改定と公表 2)新たな模擬産婦の募集と模擬産婦養成プログラムの実施 3)模擬産婦が参加する分娩介助演習の実施 4)CTGのグラフと児心音の出力をPC上でできるよう教材開発を進める。
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Causes of Carryover |
29年度実施のフィードバック研修の参加者が、出産年齢相当の若い女性のため、予定より少なくなり、費用の残が生じた。30年度にフィードバック研修も含めた新しい「模擬産婦養成プログラム」を公開する予定である。しかし、模擬産婦が参加する演習には何らかの形で分娩進行中の胎児の健康状態を示すことが必要で、我々は先行研究でCTGの再生装置を開発して使用している。しかし、その装置が分娩監視装置を用いることから、機種の廃盤や分娩監視装置の取得に高額な費用が生じるという欠点がある。そのため、PCで教材として再生できる方策を教材出版企業と検討するための開発費に使用予定である。
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Research Products
(2 results)