2016 Fiscal Year Research-status Report
循環器疾患の子どもにかかわる看護師のための教育支援システム構築に向けた基礎的研究
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16K12157
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
宗村 弥生 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (10366370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 純子 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (30344972)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小児循環器看護 / 小児看護 / プロセスレコード / 看護実践 / 看護の特殊性 / インタビュー調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目の計画である質問紙調査に含める内容を抽出するために、以下の2つの方法により、小児循環器看護に携わる看護師の看護実践における「判断の根拠」「そのもととなる知識」「小児循環器看護の特殊性」「求められている教育」を明らかにすることを28年度の目的とした。 研究その1.小児循環器看護に熟練した看護師のプロセスレコードを用いた研究 看護師の判断とその根拠となる知識を明らかにするために、小児循環器看護に携わっている経験8年目以上の小児看護専門看護師6名に、小児循環器疾患の子どもを対象にした看護実践場面を想起しプロセスレコードの様式に記述してもらった。記述されたプロセスレコードから、判断と実践場面を抽出し判断と実践の関係を再構成した。分析の過程では研究メンバー会議で討議を繰り返し妥当性を高めた。 研究その2.小児循環器看護に携わる看護師へのインタビュー 当初の計画では、ビデオ撮影した循環器疾患の子どもの療養場面を見てどのようにアセスメントするかをインタビューすることを考えていたが、その1のプロセスレコードで実践場面を詳細に抽出できたため、インタビューの内容は、小児循環器看護の特殊性や教育に関することとした。小児循環器看護に携わっている看護師の語りから、小児循環器看護の特殊性や教育ニーズを明らかにするために、小児循環器疾患の看護経験が5年目以上の看護師へのインタビュー調査の準備をした。インタビューガイドを検討し、12月から対象者募集を始め、応募者との日程調整し、28年度2月よりインタビュー調査を開始した。28年度3月までに4名のインタビューが終了している。29年度にかけて引き続きインタビューを実施し、データの信頼性を高める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに調査、分析が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
9年度は28年度の結果を踏まえてデルファイ調査を実施する。さらに、デルファイ調査と進行中のインタビュー調査の結果をもとに、最終年度の全国調査の質問紙を作成する準備をする。 1.小児循環器看護に携わる看護師へのインタビュー調査を引き続き実施し、研究メンバー全員で分析して妥当性を確保する。 2.デルファイ調査 28年度のプロセスレコード分析で抽出された小児循環器看護に携わる高度実践看護師の「看護実践」およびインタビュー調査で抽出された実践場面で抽出された質問項目をデルファイ法にて精選する。対象者は小児循環器看護に携わる5年目以上の経験がある看護師40名程度とし、方法は以下の通りとする。質問項目の看護実践について「小児看護として」「小児循環器看護として」どの程度重要だと思うかをそれぞれリッカートスケールで回答する調査用紙を作成する。同意を得られた対象者に郵送で調査用紙を配布、回収する。項目ごとの点数を記述統計し、点数の低い項目を削除して、調査用紙を再度作成する。1回目の結果と再度作成した調査用紙を対象者に郵送し、再度回答して返送してもらう。2回目の結果と再度作成した調査用紙を対象者に郵送し、回答して返送してもらう。 平成30年度は、これらの結果をもとに調査用紙を作成し、全国の小児看護に携わる看護師の、小児循環器看護に必要な知識の習得度と教育ニーズを明らかにする。対象者は、小児看護に携わる看護師 300名程度。病院の規模および小児循環器疾患児の入院件数が多様になるよう対象施設を選択する。調査用紙の内容は、勤務している病院の規模および循環器疾患の子どもの入院状況、経験年数などの属性と、前年度までの調査で抽出された実践の実施状況、知識の習得状況、知識の入手方法、知識の教育ニーズ、卒後教育の状況とする。これらを記述統計および差の検定など、統計的に分析する。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の方法にビデオ観察場面を用いないことにしたことから、ビデオ機器はじめ付属物品の購入が不要になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続きインタビュー調査を実施するため、旅費及びインタビュー起こしの費用にあてる。
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