2016 Fiscal Year Research-status Report

特別支援学校における医療的ケアの支援システム作りに関する介入研究

Research Project

Project/Area Number	16K12162
Research Institution	Kobe City College of Nursing
Principal Investigator	二宮啓子神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (50259305)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	勝田仁美兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (00254475) 内正子神戸女子大学, 看護学部, 教授 (20294241) 山本陽子神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (60622553) 岡永真由美神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (90326314) 萩岡あかね神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (30640552)
Project Period (FY)	2016-04-01 – 2020-03-31
Keywords	医療的ケア / 特別支援学校 / 看護師 / 支援システム / 介入研究 / 教諭 / 養護教諭 / 連携
Outline of Annual Research Achievements	平成28年度は、特別支援学校における看護師を中心とする医療的ケアの実施体制への支援プログラムや調査内容を検討するために、特別支援学校における医療的ケアの実施体制や支援体制、看護師への支援に関する新たな論文を取り寄せると共に、医療的ケア従事者の協働達成感尺度の著者に使用許可を得た。また、正規職員の看護師を配置し看護系大学と連携しながら、特別支援学校における医療的ケアへの支援システムを構築している埼玉県立A特別支援学校を訪問し、医療的ケアを担当している看護師、教諭より医療的ケアの実施体制や支援体制についての説明と実際の状況を視察した。埼玉県では医療的ケアを自立活動として捉えて行っており、児童生徒が自己管理（どのようにリラックスしたら良いのか、どのようにキューを出せばよいのか）できるように、児童生徒からのキューに教諭がきちんと捉え対応するという形で、教諭と看護師が一緒に学校生活を自立させるという取り組みがなされていた。教諭は第3号研修を受けて経管栄養と吸引を行っており、教諭の医療的ケアの技術研修では、埼玉県立大学の看護教員と連携して行い、また、実施研修では指導医が巡回して確認していた。当該校では、正規職員の看護師2名と非常勤職員の看護師1名が配置されており、医療的ケアのリーダーシップは正規職員の看護師が取っていたが、医療的ケア検討会、その下部の校内組織の医療的ケア調整会では教諭が医療的ケアに主体的に関われるように教諭をチーフとして活動するように支援していた。さらに、定期的に近隣の県立の特別支援学校4校が参加して意見交換等を行う機会を設けていた。視察で得た情報を踏まえ、本研究の介入プログラムや調査内容を洗練させた研究計画書を作成し、研究代表者の所属機関の倫理審査を受けた。承認された研究計画書を用いて、近畿地区の教育委員会1箇所、特別支援学校3校に研究協力依頼を行った。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 研究計画書の倫理審査を受ける時期が遅れたため、研究協力依頼がやや遅れたが、研究計画書の通り、平成29年度から研究協力校で介入（学校支援プログラム）並びに調査を開始できる状況になっているため。
Strategy for Future Research Activity	４月～５月：研究協力が得られたS特別支援学校に伺い、研究協力候補者である看護師、教諭、養護教諭に研究協力依頼書を用いて研究についての説明を行う。同意書が得られた研究協力者に1年間の学校支援プログラム開始前の質問紙調査並びにインタビュー調査を実施する。６月～３月：調査データを分析し、当該校の医療的ケアの実施体制・支援体制の特徴や実施者の状況を踏まえ、支援プログラム案を作成する。支援プログラム案は研究者と医療的ケア関係者との会議を開催して検討し、合意が得られた内容で進めていく。学校の状況を見ながら、研究者は支援プログラムを実施する。各学期1回程度、研究者と医療的ケア関係者との会議を開催し、評価とさらなる支援内容を検討し、それに従って支援プログラムを実施する。３月に学校支援プログラムの評価として、研究協力者に質問紙調査並びにインタビュー調査を実施する。また、１月～３月に2校目、3校目の研究協力校を得るために、1校目と同様の手続きを行う。
Causes of Carryover	研究協力校への研究依頼の時期が遅れたため、消耗品や人件費、複写費の支出が十分にできなかった。
Expenditure Plan for Carryover Budget	研究依頼や学校支援プログラム前後の調査の準備のための消耗品費、複写費、人件費、調査データの入力や逐語録の作成のための費用、調査や学校支援プログラムの実施に伴う国内旅費、研究参加者への謝品に使用する。当該研究に必要な文献や情報収集のための学会参加に関する参加費並びに国内旅費、データ分析のための会議費等に使用する。