2018 Fiscal Year Research-status Report
乳児の「泣き」に起因する育児ストレスへのレジリエンス向上プログラムの構築
Project/Area Number |
16K12171
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
伊藤 奈津子 淑徳大学, 看護栄養学部, 講師 (00340117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 恵理子 淑徳大学, 看護栄養学部, 教授 (20249246) [Withdrawn]
小川 純子 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (30344972)
徳永 聖子 清和大学短期大学部, その他部局等, 講師(移行) (30761663)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 泣き / レジリエンス / 育児支援 / 育児不安 / 育児ストレス / 乳児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、乳児期の子どもの「泣き」に対するレジリエンスを高めるプログラムの開発を目的としている。 妊娠期から育児期まで継続的にデータを収集しているため、1ケースずつのデータ収集にかなりの時間を要してしまっているが、 妊娠期には、出産後の「泣き」に対する困難感へ関連すると思われる研究対象者の基本的情報と「育児関連レジリエンス」に関する質問項目からなる質問紙調査を実施している。 産後1か月健診が終了後、ご家族の都合に合わせて、育児期用の質問紙調査:母親の育児期の生活背景を知るための質問項目と「児の泣きに対する母親の育児困難感尺度」(田淵2006)から構成される質問紙調査を用いて、母親の基本的な情報と母親の「泣き」に対する困難感を調査している。合わせて、インタビュー調査も実施し、①乳児の生活実態調査と育児期の母親の困難事や育児ストレスの要因を調査している。 現時点で10ケースの事例についてデータを収集し、分析途中である。 育児期の母親のインタビュー調査の結果から、「泣き」に対して、乳児は「理由もなく泣くものである」といった情報を知っていたものは、乳児期の「泣き」についても耐性が高く、また「泣かせておいても大丈夫」ということを知っている母親についても同様の傾向が見られた。しかしながら、知識として知っていても、「泣き」が生じた際に、この「泣き」を泣き止ませなければ、もしくは、泣き止ませることができるのは母親であるという義務感を持って乳児に対応している母親は、育児負担感が大きいことが分かった。知識として知っていることを実際の育児場面のいかせることの間には隔たりがあるため、そこを埋めるような知識の提供について更なる検討を深めていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
妊娠期の母親には、沐浴教室を開催し、研究への依頼を行いその後質問紙調査を実施しており、産後に同じ母親にベビーマッサージ教室を開催して質問紙調査及びインタビュー調査を実施しているが、産後のデータ協力率を上げることができない。 妊娠期から継続しての研究協力が得られにくい要因として、母親の育児負担が大きいことが考えられる。マッサージの開催日時については研究協力者の希望に可能な限りこたえる形で実施していくこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
妊娠期の母親に育児期の母親の生活をより具体的にイメージしてもらうための啓発ビデオ「赤ちゃんのいる生活」の作成に着手する。また合わせてインタビュー調査の結果から、母親が抱えている育児困難感のうち、妊娠期に持っていると役立てる情報についても、分析し、情報提供がより効果的に行える方法を検討する。
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Causes of Carryover |
本研究費の大部分は、アプリケーションの開発と育児期の生活をイメージするためのDVDの製作費となっている。昨年度末の段階で業者とのやり取りを始めていたため、本年度には制作する予定であったものの、データ収集に時間を要してしまい、分析を終了することができなかった。 現時点で収集が終わっている10例について分析を進めて制作に着手する。
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