2020 Fiscal Year Research-status Report
乳児の「泣き」に起因する育児ストレスへのレジリエンス向上プログラムの構築
Project/Area Number |
16K12171
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
伊藤 奈津子 淑徳大学, 看護栄養学部, 講師 (00340117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 恵理子 淑徳大学, 看護栄養学部, 教授 (20249246) [Withdrawn]
小川 純子 淑徳大学, 看護栄養学部, 教授 (30344972)
徳永 聖子 清和大学短期大学部, その他部局等, 講師(移行) (30761663)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 育児支援 / 育児不安 / レジリエンス / 乳児 / 育児ストレス / 泣き / 育児困難感 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、コロナ禍により、新しいデータ収集ができなかったが、昨年度までに収集したインタビュー調査の内容を分析した。2021年度中に発表予定であるが、インタビュー調査の結果、生後2か月までの母親の育児困難感を高める要因として「母乳育児」「泣きに関する知識不足」「赤ちゃんのいる生活のイメージ不足」「一人で児と向き合う重圧感」が挙げられた。 これから先も続くであろうコロナ禍を鑑みても、感染防止対策ともなるオンラインやアプリケーションを用いて行う育児支援は、妊娠期の感染防止の観点からも有効であると考えられる。多くの母親は我が子の「泣き」などに直面した際に、「一人で我が子と向き合わなければならないこと」について重圧感などの困難感も強く訴えていた。育児期の母親が、子どもと二人っきりであることの閉塞感や重圧感を感じた時に、オンタイムで安心で安全な居場所をSNS上に構築していく方法については、2021年度に再検討する予定である。 現在は業者と連携し、子どもの「泣き」に対して過度に不安や緊張を高めることなく適切に向き合い対処できるように、妊娠期に育児困難感を高める要因として示唆された「母乳育児」や「泣き」に関する適切な知識や情報提供を行うことや産後の生活をより具体的にイメージできるような動画や疑似体験できるアプリケーションの制作に着手している。 筆者が前回携帯メールを用いた育児支援プログラムとして開発したアプリケーションでは、産後の母親への情報提供を主とした育児支援であったため、そのアプリケーションをスマートフォン仕様に改良し、妊娠期から育児期への切れ目のなく支援できる方法を模索している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度はコロナ禍の影響もあり、研究を行うためのまとまった時間がとれなかった。またデータ収集に関しても、感染拡大防止の観点から、沐浴教室など妊婦を集めての育児支援教室が開催できなかったため、研究のデータ収集について停滞した一年となってしまった。 携帯アプリケーションや動画制作についても、コロナ禍の影響により業者との打ち合わせも停滞してしまったため、進捗状況としてはかなり遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査の結果から、妊娠期から産後の赤ちゃんのいる生活をより具体的にイメージできることや妊娠中に「母乳育児」「泣き」に関する適切な知識を身に付けることが、母親の育児に関連するレジリエンスを高め、産後の母親の育児ストレスや育児困難感を軽減させることが示唆された。妊娠期にこれらの課題が達成できるような妊娠期の情報提供のツールとしての動画作成やアプリケーションを業者と共に開発する。
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Causes of Carryover |
当該年度はコロナ禍の影響により、今回の研究費の大部分を使用する予定の動画やアプリケーションの開発に着手することができなかった。2021年度に使用する予定のため、前年度までの利用金額は最小限に抑えた。
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