2017 Fiscal Year Research-status Report
性腺機能障害を有する思春期小児がん経験者の支援ガイドラインの構築
Project/Area Number |
16K12179
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
富岡 晶子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (90300045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸 光恵 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (50241980)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 看護学 / 思春期・若年成人 / がん患者 / 性腺機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児がんの治療成績は著しく向上し、小児がんと診断された子どもの多くが成人期を迎えるようになった。その一方で晩期合併症による性腺機能障害は小児がん経験者のQOLに大きく影響すると考えられる。生殖医療の発展に伴い、妊孕性温存治療が普及しているが、小児期に発症したがん経験者は、性的および認知発達の途上にあり、その実施や意思決定には困難を伴う。思春期を迎えた小児がん経験者は治療終了後にこれらの現実に直面し、さまざまな葛藤を抱えることが推察されるが、思春期の小児がん経験者への情報提供や支援のあり方については十分に検討されていない。そこで、本研究では思春期・若年成人がん患者・サバイバーの支援に携わっている看護師の認識と支援の実態を明らかにし、思春期小児がん経験者の支援ガイドラインを構築するための基礎資料を得ることを目的とし、看護師を対象としたグループインタビューを実施した。 対象は思春期・若年成人がん患者・サバイバーの支援に携わっている小児看護専門看護師、がん診療拠点病院に勤務し、がん看護の経験が3年以上の看護師20名であった。インタビューは2~4名のグループで実施した。1名のみ個別インタビューを実施した。事前に対象者の属性、性・生殖の問題に対応した経験や困難について質問紙調査を実施し、インタビューでは支援の具体的内容や方法、多職種との連携体制、看護師が抱える困難や課題について尋ねた。インタビュー内容をもとに逐語録を作成し、現在質的分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画どおり、看護職を対象としたインタビューを実施し、性腺機能障害を有する思春期・若年成人がん患者・サバイバーへの支援の実態を把握することができた。本調査結果をもとに、思春期小児がん経験者の支援のあり方を検討することが可能な状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
看護職を対象としたインタビュー内容の分析を進め、思春期小児がん経験者の支援ガイドラインを構築するための基礎資料とする。本研究結果は2018年12月にオーストラリアで開催される3rd Global Adolescent & Young Adult Cancer Congressで発表する予定である。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査で旅費を計上していたが、開催場所が研究参加者の居住地域に近い場所で行ったことから、旅費の支払いが低額となった。また、データ入力等の業者依頼が可能となったため、人件費を削減できた。 次年度は本研究の成果について、イギリスのサイコセクシュアルセラピストおよびナースコンサルタントより助言を得るための謝金とするとともに、国際学会発表準備のための翻訳、参加費、旅費として使用する。
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