2019 Fiscal Year Research-status Report
中山間地域において16年間継続してきた高齢者水中運動講座の効果の縦断的検証
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16K12206
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
那須 裕 長野県看護大学, 看護学部, 名誉教授 (50020839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 みどり 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (60293479)
太田 克矢 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (60295798)
千葉 真弓 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (20336621)
池上 千賀子 (曽根千賀子) 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (40336623)
有賀 智也 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (10708069)
細田 江美 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (10290123)
上原 章 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (80774801) [Withdrawn]
青木 駿介 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (30827332)
松本 淳子 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (10379042)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者 / 水中運動 / 縦断的検証 |
Outline of Annual Research Achievements |
開催して21年目に入る高齢者水中運動講座の実施と、これに係る研究を学内の様々な分野の教員が相互に連携しながら実施した。本年度も研究の土台となる体制の構築を更に進めた。この為の1つとして、研究者らが運営・研究を実施するための必要な知見を、「学会への参加」「研究から得られたデータの有効活用するために地域行政機関と連携をはかる」などして各研究者が積極的に推進した。しかし、新型コロナ感染防止の為、2020年3月から水中運動講座自体を開催できない状況となった。この為、毎年3月に実施している体力測定会が開催できなかった。 年間を通した水中運動教室の運営における参加者の観察で、本年度も数か月の間に認知機能の低下が疑われるようなケースも見受けられた。このようなケースの把握のために、運営にあたるスタッフ間での情報共有するシステムが必要で、昨年度はこの試みの模索を進めたが、システムの構築までには至らなかった。そこで本年度は、このシステムの構築をはかるとともに、地域行政と連携した体力測定会の開催の準備を2月まで進めた。前述のように体力測定が直前になり開催できなかったため、この連携の有効性については検証できなかったものの、検討したプロセスについては従前よりも大きな進展が測れた。 参加者の第一目的が自身の運動機能的な健康のプロモーションのためであることなどから、今後もより有用・有効な仕組みや環境の構築・改良していく必要がある。このほか、体力測定会で蓄積されたデータについて、認知機能や転倒予防などのいくつかに焦点を絞った解析を現在すすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最も大きな理由の1つは新型コロナウィルス感染拡大防止の為である。研究対象者でもある水中運動講座の参加者は65歳から80歳代後半までの高齢者群であり、感染した場合はハイリスク郡である。この為、本研究で1年間のうち最も重要なデーター採取の機会である体力測定会を中止せざるを得なかった。この他、月例で行っている水中運動講座も2月までの開催となり、年度末を迎えた為、身体面と認知機能面の最終的な状態も確認できなかった。この他、研究代表者自身も高齢のため、共同研究者とはリモートによる共同作業となり研究遂行の速度に支障を生じた。 毎回の講座(水中運動教室)での問診では、時間と人員的な制約がある中で、昨年度よりもさらに効率的に運営する体制が進んだ。この際、簡単な問診による認知機能のチェックを問診者の主観的なレベルでは行えるようにはなった。しかし、多くの参加者が自身の身体機能維持への関心の高さと自信があることが原因となって、問診時などに「短期的に認知機能の変化を追跡する有効的なシステムの構築」までは進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
なによりも新型コロナウィルス感染防止を考慮した上で、講座参加者のヘルスプロモーションに係る研究活動を展開しなければならない。市中の感染状況によっては水中運動によるヘルスプロモーション活動とこれの研究活動を数年間などの長期にわたり中止せざるを得ないかもしれない。よく見極めたうえで、この場合は研究課題を中止する方向である。この場合もこれまで得られたデーター内で解析は進めていきたい。 これらを念頭に置いた上で講座を再開できたならば、現在の課題点を研究チームで検討を進め、一部は計画通りに「縦断的な効果をより詳細に評価する為の項目の追加」することを試みる。また、毎回の教室で実施している問診で、研究者の観察データを現在よりも更に簡単に蓄積できるシステムの構築を進める。この際、日常生活での変化をより適切かつ選択的に入力していけるように改築と検討を進める。これに加え、短期的な参加者の変化を捉えるためのデータ収集方法などの検討をさらに継続する。
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Causes of Carryover |
(理由)最も大きな理由の1つは新型コロナウィルス感染拡大防止の為である。この為、データーの収集が計画通りに行えなかった。また、継続参加者の認知症進行具合を把握するための方法を一定範囲の程度で樹立できたものの、この方法を共同研究者らと共有するのに時間がかかったほか、この他の研究推進部分よりも講座の運営を優先せざるを得なかったため。 (計画)市中の感染状況によっては水中運動によるヘルスプロモーション活動とこれの研究活動を数年間などの長期にわたり中止せざるを得ないかもしれない。この場合は、この研究課題を中止せざるを得ない。これらを念頭に置いた上で講座を再開できたならば、次年度交付額とあわせることで、遅れを取り戻した際の資金不足を防ぎ、研究を推進できる範囲で費用を使用していく。
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Research Products
(2 results)