2022 Fiscal Year Research-status Report
他害行為を行った精神障がい者の評価,治療,社会復帰支援における看護師の役割
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16K12240
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
美濃 由紀子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50318002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 眞巳 亀田医療大学, 看護学部, 教授 (30209952)
田上 美千佳 東都大学, 幕張ヒューマンケア学部, 教授 (70227247) [Withdrawn]
江本 豊 京都医療科学大学, 医療科学部, 教授 (90278284)
岡田 幸之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40282769)
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Project Period (FY) |
2022-01-04 – 2024-03-31
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Keywords | 司法精神看護学 / 医療観察法 / 多職種チーム医療 / 指定医療機関 / 精神保健看護学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、他害行為を行った精神障がい者の評価、治療、社会復帰支援における看護師の役割の明確化を図り、精神科医療の質向上のための具体策を提案すること、および司法精神医療を担う看護職の育成と司法精神看護学教育の方向性について示唆を得ることを目的としている。医療観察法の制定により重大な他害行為を行った精神障がい者の医療は、飛躍的な改善を遂げたのは周知の事実であり、同法の目標として、司法精神医療で得られたノウハウを一般精神科医療へ還元し、精神科医療全体の底上げをすることが挙げられている。しかしながら、医療観察法施行後の経過の中で、一般精神医療の分野や看護教育への還元という課題の認識は、十分に浸透しているとは言い難く、司法精神医療で行われているケアの実態を明らかにすることを通じた啓発と司法精神看護学の基礎教育の充実は必須課題である。また、司法精神医療制度や専門教育体制は、国による違いが大きく、それらの充実のための国際的な視点からの検討は欠かせない。 本研究では、4つのサブテーマ「1.日本における医療観察法対象者に対する治療・評価・社会復帰支援」、「2.日本における司法精神医学・司法精神看護学教育の方向性」、「3.日本と欧米諸国と司法精神医療教育体制の違い」、「4.司法精神医療制度の国際比較」に沿って、検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブテーマ1では、医療観察法通院処遇対象者に対する治療・評価・社会復帰支援として、情報技術を利用した見守りシステムの開発とその支援方法に関する検討を行った。サブテーマ2では、日本における司法精神看護学の基礎教育の実態調査を行った。サブテーマ3と4では、日本と欧米諸国の司法精神看護教育体制の違いや司法精神医療制度の違いについての調査を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き、4つのサブテーマに沿って検討を進めていく。共同研究者や研究協力者との連携を強化し、グローバルかつ多職種チームの視点を取り入れた検討を重ねる。欧米諸国の司法精神医療制度と司法精神看護学教育体制の違いを俯瞰し、医療観察法対象者に対する治療・評価・社会復帰支援と日本における司法精神看護学教育の方向性についてついて提案していきたいと考える。
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Causes of Carryover |
旅費として、海外での発表のための予算を確保していたが、COVID-19の影響も残っており渡米が困難な状況があった。また、人件費として予算を確保していたが、適切な人材の確保に困難を要した。
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