2017 Fiscal Year Research-status Report
自殺リスクの高い若者に対する携帯メールを活用した自殺予防介入の開発
Project/Area Number |
16K12241
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
児玉 豊彦 三重大学, 医学系研究科, 講師 (10549166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 裕子 三重大学, 医学系研究科, 助教 (30746722)
小森 照久 三重大学, 医学系研究科, 教授 (40178380)
橋本 健志 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60294229)
井倉 一政 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (60733011)
片岡 三佳 三重大学, 医学系研究科, 教授 (30279997)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ICT / 携帯 / 援助希求行動 / 自殺予防 / メール |
Outline of Annual Research Achievements |
精神科・心療内科に通院する20代~30代の若者に本研究の協力を依頼し、21名が参加した。参加者を無作為に介入群とwait-list control群に振り分け、介入群には研究者らが開発したメール自動配信システムを用いて、援助希求行動を促進させるため、約3か月間、携帯メールによる情報提供を行った。メールの内容は、悩みや問題を誰かに相談することの重要性や、地域の相談窓口等の社会資源の紹介等である。なお、wait-list control群もベースライン時から3か月後に、同様に携帯メールを送信している。現在もメールによる介入は継続中であり、介入終了後、援助希求行動の変化を比較し、介入の効果を評価する。 ベースライン時に、過去3か月間の間に悩みや問題を誰かに相談したか、と尋ねたところ、19名が誰かに相談していた。また、過去3か月間の間に地域の社会資源を利用したか、との問いには4名しか利用していなかった。利用しなかった理由は、どうやって利用すればいいのか分からなかった、が最も多く、次いで、利用しても無駄だと思ったから、が多かった。 参加者の病名はうつ病が最も多かった。ベースライン時に困っていることや悩みにについて尋ねたところ、病気に関すること、お金に関することが最も多く、次いで仕事に関することが多かった。望む支援としては、身近に悩みを相談できる人が欲しいが最も多く、次いで問題や困っていることを相談できる施設や窓口を教えてほしい、が多かった。精神科・心療内科に通院する若者は、病気や金銭的な問題を抱え、相談窓口の利用などを望みながらも、地域の社会資源を十分に活用できていない現状が推測された。 これらの成果の一部は、第113回日本精神神経学会学術総会にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の対象となる若者の精神科通院患者が研究に参加し、順調に介入が行えている。このまま研究データが集まれば、介入の効果の評価を行うことができる
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Strategy for Future Research Activity |
このまま携帯メールによる介入を続けていき、介入前後の援助希求行動の変化を比較して、介入の効果を評価する。結果の分析や影響する要因を明らかにし、効果的な若者の自殺予防を構築する。また、研究成果を公表することで、他施設や他地域での導入も進めていきたい。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究の参加者の応募期間が予定よりも長くなってしまい、本年度中に使用する予定だったアンケート用紙等の一部を次年度に使用することになったため。 (使用計画) 現在、参加している研究対象者のアンケート用紙等の経費として使用する
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Research Products
(3 results)