2017 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者が地域生活を送るためのセルフマネジメント評価尺度の開発
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16K12253
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
山下 真裕子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (40574611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊関 敏男 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (30325922)
藪田 歩 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (40742292) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 精神障害者 / セルフケア / 中範囲理論 / 地域生活 / 評価尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は精神障害者が地域生活を送るためのセルフケア評価尺度を開発することを目的とする.そのために,これまで,国内外のセルフケアに関連した著書,文献および既存尺度を検討し,精神障害者が地域生活を送る上で必要なセルフケアの概念分析を行った.さらに,地域で暮らす精神障害者15名に地域生活を送る上で必要と認識するセルフケアについてインタビューを行い,質的帰納的に分析を行った.加えて,地域支援を行う訪問看護師,精神保健福祉士の計12名に同様のインタビューを実施し,質的帰納的に分析を行った. 平成29年度は,精神障害者が地域生活を送るためのセルフケアに関する中範囲理論を構築し,それを理論基盤とした評価尺度を作成することを目的とした. まず,これまでに得られた結果を統合し,精神障害者が地域生活を送るためのセルフケアに関する中範囲理論の仮説を立てた.精神看護学の教育者,地域で精神障害者を支援する看護師,訪問看護師,精神保健福祉士,精神科医師を含めた有識者会議を実施し,中範囲理論の仮説について繰り返し検討し,精神障害者の地域生活におけるセルフケアの中範囲理論の構築に至った. 次に,構築した中範囲理論を基に,概念的特性を測定する質問項目を作成した.再度上記構成員による有識者会議を複数回設け,質問項目の文言,表現の適切性,また作成した尺度の内容妥当性を検証し,精神障害者の地域生活におけるセルフケア評価尺度の内容的妥当性が確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の研究目的は,精神障害者の地域生活におけるセルフケア評価尺度の作成であった. そのため,平成28年度に構築した精神障害者が地域生活を送る上で必要なセルフケアの中範囲理論を理論基盤とした評価尺度を開発するために研究を遂行した. 精神看護学の教育者,看護師,訪問看護師,精神保健福祉士,精神科医師で構成された有識者会議を複数回開催することで,精神障害者の地域生活におけるセルフケアの中範囲理論の構築に至った.さらに,概念的特性を測定する質問項目を作成し,再度有識者会議を複数回設け,検討を重ねたことで,精神障害者の地域生活におけるセルフケア評価尺度の内容的妥当性が確認できた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,作成した尺度の信頼性・妥当性を検証することを目的とする. そのために,A県内の精神科病棟に入院中の精神障害者205名(プレテスト5名を含む)を調査対象として,病棟に勤務する看護師に他者評価尺度を用いた質問紙調査を依頼し,作成した尺度の信頼性及び構成概念妥当性(基準関連妥当性を含む)を検証する.プレテストでは5名の精神障害者の他者評価を病棟看護師に依頼し,意味の不明瞭な質問文や回答しづらい点などについて検討し,尺度の修正を行う.その後約200名の精神障害者を対象に病棟看護師による他者評価式質問紙調査を実施し,因子分析,相関係数の算出等の量的データ分析を行い,作成した尺度の信頼性及び構成概念妥当性(基準関連妥当性を含む)を検証する.
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Causes of Carryover |
当初助成金の執行計画としては,質問紙調査の謝礼205名分のクオカードの購入および調査結果のデータ分析ソフトSPSSを3月を目途に購入する予定であった.しかし,主研究者の4月以降の所属の異動に伴い,購入を4月に延期したことが原因である. それらは計画的に4月に購入を予定しており,平成29年度に繰り越した予算は平成30年度に確実に執行できる.
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