2018 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者が地域生活を送るためのセルフマネジメント評価尺度の開発
Project/Area Number |
16K12253
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山下 真裕子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40574611)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊関 敏男 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (30325922)
藪田 歩 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (40742292) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 精神障害者 / セルフマネジメント / 地域生活 / 信頼性 / 妥当性 / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神障害者が地域生活を送る上で必要なセルフマネジメントに関する中範囲理論を理論基盤として精神障害者が地域生活を送るためのセルフマネジメント評価尺度を開発し、本尺度の信頼性・妥当性を検討することを計画した。 A県内の単科精神科病院入院中で,精神疾患の確定診断がなされている18歳以上の患者191名を対象に調査を実施した.項目の天井効果とフロア効果,I-T相関,G-P分析,kaiser-Meyer-Olkinの標本妥当性を検証し、各項目の妥当性および標本妥当性は確認できた。重み付けのない最小二乗法,プロマックス回転による因子分析を行った結果,最終的に7因子51項目が採択された. 本尺度は第Ⅰ因子【自己の生活・健康の主体的管理】(17項目)、第Ⅱ因子【遵守・管理・調整・協働によるディジーズマネジメント】(7項目)、第Ⅲ因子【対人関係の構築・維持・深化のためのソーシャルスキル】(6項目)、第Ⅳ因子【自身や生活環境の調整】(8項目)、第Ⅴ因子【心理的安定】(6項目)、第Ⅵ因子【時間デザイン】(5項目)、第Ⅶ因子【睡眠・休息マネジメント】(2項目)で構成された。これはこれまで明らかにされている精神障害者の地域生活におけるセルフマネジメントの構成要素と共通するものであり、本研究で作成された尺度の内容的側面についても一定の妥当性を認めた.また、外的基準であるRehabとの合計得点、下位尺度得点との関連において、有意な中程度~高い負の相関を示した. 本尺度の信頼性の検討では,Cronbach’α係数.7以上を基準として内的整合性を確認した.本尺度全体のα係数は.984であり,各下位因子のα係数は.775~.972といずれも基準値以上を示しており,各下位尺度の内的整合性が得られた.以上より,精神障害者の地域生活におけるセルフマネジメント評価尺度の信頼性および妥当性が検証された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は精神障害者の地域合生活におけるセルフマネジメント評価尺度を開発し、その信頼性、妥当性を検証することを計画し、計画通り達成できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は精神障害者の地域生活におけるセルフマネジメント評価尺度の実用可能性の検証を行う予定である。 A県内の地域活動支援センターおよび就労継続支援B型事業所に通う精神障害者で入院歴が2回未満の者,精神科病棟入院中で入院歴2回以上の者各60名を対象にケースコントロールスタディを行い、本尺度におけるセルフマネジメント能力の弁別可能性を検証する。
|
Causes of Carryover |
成果発表としてアメリカで開催されるISPNに参加予定であったが、学会日程が大学業務と重複してしまい参加できなかったため。 その成果は2019年度にアメリカで開催される学会で発表予定であり、2019年度執行できる。
|