2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of self-management evaluation scale for people with mental disability to live in the community
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16K12253
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山下 真裕子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40574611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊関 敏男 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (30325922)
藪田 歩 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (40742292) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 精神障害者 / セルフケア / 尺度 / 地域支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神障害者が地域生活を継続するために必要なセルフケアに関する中範囲理論を構築し,これを理論基盤とした精神障害者のセルフケア能力評価尺度を開発することを目的とした. 精神障害者が地域生活を送るためのセルフケアに関する中範囲理論の仮説を構築するため,国内外のセルフケアに関連した文献42件を抽出しRodgersの手法を用いて概念分析を行い,構成要素を抽出した.また,地域で暮らす精神障害者および地域支援を行う訪問看護師,精神保健福祉士を対象に半構造化面接を行った.これらの結果を元に精神障害者が地域生活を送るために必要なセルフケアの中範囲理論を構築し,これを理論的基盤として精神障害者のセルフケア能力評価尺度を作成した.精神障害者191名を対象に質問紙調査を実施した.探索的因子分析の結果6因子35項目が抽出され,本尺度の信頼性と妥当性を確認できた. 最終年度はケースコントロールスタディで,精神障害者のセルフケア能力評価尺度による地域生活能力の弁別可能性を検討し尺度の有用性を評価することが目的であった.精神疾患の確定診断がなされた191名を対象にこれまでの入院回数、累積入院期間の中央値を基準に本尺度および各下位尺度得点を比較した.その結果,有意差を認めた.また単変量解析で有意差を認め,かつ精神障害者の入院期間に影響を与えると考えた変数を説明変数としてロジスティック回帰分析を用いて検討した結果,入院期間において本尺度が最も大きな影響力を持つことが確認できた(オッズ比0.981 χ2検定p<0.01 判別的中率89.5%).以上の結果より,精神障害者のセルフケア能力評価尺度は,精神障害者のセルフケアを多角的に評価でき,弁別妥当性を認める尺度であり,精神障害者の長期入院を予測するツールとして,また支援計画立案の資料として,臨床の場面で用いるのに有用な尺度であることが示唆された.
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