2017 Fiscal Year Research-status Report
アルコール依存症者の家族へのエンパワメントプログラム介入評価に関する研究
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16K12261
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
越智 百枝 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (40270053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
中平 洋子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (70270056)
坂元 勇太 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, その他 (30761241)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アルコール依存症 / 家族 / 教育支援プログラム / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、開発したアルコール依存症者の家族の教育支援プログラムを評価することである。今年度は、①専門家会議によるマニュアルの洗練化と②研究協力施設のスタッフによるプログラムの実施と評価を行なった。 ①専門家会議によるマニュアルの洗練化 病院の看護師2名、臨床心理士1名にアルコール依存症者の家族役を担ってもらい、研究分担者がマニュアルに沿ってプログラムを実施した。実施状況を、アルコール医療に携わる病院医師、看護師、精神保健福祉士、臨床心理士18名に見学してもらい、3つの視点(①プログラムを見学してみての意見や感想、②実際にスタッフになって実施できそうか、③アルコール依存症者の家族への適用について)で、プログラム終了後に意見を得た。その結果、マニュアルについては、スタッフの役割分担、吐き出しの行いやすい雰囲気づくり、グループ力動を高めるような工夫についての意見が得られた。家族への適用について実施してみたいや実施できそうだという意見が得られた。それらを踏まえ、マニュアルを改訂した。 ② 研究協力施設のスタッフによるプログラム実施と評価 研究協力依頼を2か所行い、研究協力施設のスタッフがマニュアルを使用してプログラムの実施を行った。1か所は対象の都合で1コース全ての参加に至らず、データを得ることができなかった。もう1か所はプログラムへの参加は4名で、うち2名から研究協力の同意が得られた。プログラム実施者と研究者で行った振り返りより、プログラム実施前に、実施者の事前準備として行っているSFA(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)についての教育やマニュアルの使用方法の説明、プログラムのロールプレイ、プログラム運営、対象者の集め方、マニュアルの改善についての提案を受け、次年度以降の課題が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は初めて研究協力施設のスタッフがプログラムを実施した。得られた研究データ数は少なかったが、実施したスタッフからマニュアルについての意見が得られ、また対象者への効果やスタッフ自身のプログラム実施による実践の変化が見られた。実施したスタッフから得られた意見を踏まえ、マニュアルの洗練化ができたことや、研究者以外がプログラムを実施してもプログラムの効果も見られた。アルコール依存症者の家族は家族員にアルコール依存症者がいることを否認することが多く、偏見があり隠したい気持ちが強く、研究協力の同意も得られにくい状況がある。今年度の2施設での実施により、対象を得るための工夫について方略が見えてきたため、次年度にいかせる成果が得られたことからおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに数か所の研究協力機関を得て、研究協力機関のスタッフにプログラムを実施していただき、研究対象数を増やし、プログラムの効果を評価する予定である。すでに協力依頼を2か所は行っており、協力の諾否を待っている状態である。
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Causes of Carryover |
今年度のプログラムの実施の最終日が4月以降になったため、残額が見られるが、研究協力者への謝金等の支払いと研究者の旅費の支払いで全額使用予定である。
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