2017 Fiscal Year Research-status Report
女性がんサバイバーの療養生活体験に基づいたサバイバーケアプランの開発
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16K12286
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Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
新井 香奈子 園田学園女子大学, 人間健康学部, 教授 (00364050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 喜代美 園田学園女子大学, 人間健康学部, 助教 (90616046)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 女性 / がんサバイバー / 体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、女性がんサバイバーの療養体験と影響要因についての質的検討を中心に行った。質的研究のまとめ後、平成30年度実施予定の質問紙調査に向けた準備(質問し項目の抽出)などを研究メンバーと実施した。 in depth インタビューの実施: 女性がんサバイバー12名を対象としたin depth インタビューの実施・分析を行った。 女性がんサバイバーの療養行動・体験として、特徴的と思われた一つには、家事全般への取組み具合を根拠にがん発症前に比べて(どのくらいまで出来ている)自身の状況を見積もりながら、自身の回復をや体調を鑑みるという療養体験・行動を行っていることであった。また、対象者全員が婚姻しており、がん罹患後に夫の健康・家族の健康を自分のこと以上に神経質になり、その思いに見合った行動を家族がしない際にひどく傷つくという体験をしていた。この思いは、次第にがん罹患の経験がない者には伝わらないという思いに変化し、がん罹患後に身体の回復に繋がっていくがんサバイバーとしての自身の体験を、「特に女性のがん罹患者」に伝えていきたいという思いに変化していった。さらに、この伝えたい相手(対象)は、同じような環境(専業主婦・子どもの年齢、有職者など)にある女性がん罹患者に伝えたいと考えており、家事の工夫や苦悩の軽減に生かされればという思いであった。また、自分も他者の体験(自分と近い境遇にある者)を知りたかったと話されていた。 女性がんサバイバーの心身の回復過程や、5年過ぎるまでを自身の目処とする中での不安な思いなどを共有できるような場(近い境遇の対象者どうしを繋ぐ)や、その思いを聞く場が求められていることがわかった。治療終了後のがんサバイバーへの支援として、地域で働く看護職の役割が求められていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度中に実施予定であった「女性がんサバイバーの療養体験と影響要因についての質的研究」については、インタビューの対象者確保が難しく、その為分析・まとめに時間を要したが、概ね予定通り実施することができた。 質的研究後の結果を土台にした質問紙調査の原案は作成まで実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、質問紙調査を実施し、本研究の最終目的である「女性がんサバイバーに対する地域看護職によるサバイバーケアプラン」の提言骨子をまとめる予定である。また、成果について学会発表や論文投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
質問紙調査を平成28年度に計画変更し、平成30年度としたため、次年度使用額が発生した。
質問紙調査郵送費に当てる予定である。
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