2016 Fiscal Year Research-status Report
40歳未満の労働者に対するインターネットと人的支援を併用した減量プログラムの開発
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16K12303
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
尾崎 伊都子 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (00347395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡井 いずみ 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (20509830)
西嶋 真理子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50403803)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 減量プログラム / 若年男性 / インターネット / 無作為化比較試験 / 労働者 |
Outline of Annual Research Achievements |
文献レビューとこれまでに行った保健指導従事者へのインタビュー調査の結果を参考に、ウェブと人的支援を併用した減量プログラムを構築し、その効果検証を行った。 対象者は40歳未満の肥満(BMI≧25)の男性労働者とし、人的支援の強度が異なる強化支援プログラムと通常支援プログラムを実施し、効果を比較した。対象者の募集は、A県B保健所管内の企業や行政機関等において行った。介入期間は3か月間、追跡調査は6か月後とした。開始時に集団指導を行い、講話(減量のための食事・運動、セルフモニタリングの意義、ウェブの使い方等)、身体計測、個別の目標設定支援を行った。その後3か月間、ウェブを利用して減量に取り組んでもらった。3か月後に再度集団指導を行い、動機づけを維持するための講話、身体計測を行った。強化支援群に付加した支援は、ウェブ利用のアドヒアレンスを高めることを目的とした電話支援4回とグループワーク2回とした。評価指標は、減量指標(体重、減量率、腹囲、体脂肪率)、ウェブ利用状況、エネルギー摂取量・消費量、健康習慣に対する自己効力感尺度得点とした。 応募者34名を強化支援群18名、通常支援群16名に無作為割付した。開始時の計測でBMIが24.5未満であった強化支援群の2名を除外した。介入前後で、各群に腹囲、エネルギー摂取量の有意な改善がみられた。さらに、通常支援群では健康管理に対する自己効力感の有意な向上もみられた。評価指標の変化量については、エネルギー消費量以外の全項目が通常支援群より強化支援群で大きかったが、有意差はなかった。いずれの群とも一定の減量効果がある可能性が示唆されたが、評価指標の変化量に有意差がなかったことから、強化支援群に付加した人的支援の効果は確認できなかった。評価指標の多くが通常支援群より強化支援群で改善しており、今後はサンプルサイズを増やしてさらに検証する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の計画は、①インターネットベースの減量介入の先行研究のシステマティック・レビュー、②これまでに実施したパイロットスタディと保健指導従事者へのインタビュー調査の結果を参考に減量プログラムを構築する、③ウェブサイトの内容と機能を精査し改訂するとともにスマートフォン版を構築する、④構築した減量プログラムの効果検証を開始することとしていた。平成28年度は、先行研究のシステマティック・レビュー、パイロットスタディとインタビュー調査の結果を参考に減量プログラムを構築し、介入のプロトコールを作成した。そして、研究協力機関としてA県B保健所および全国健康保険協会A支部と共同で、B保健所管内の企業や行政機関において対象者の募集を行い、介入を実施した。介入は平成28年9月から実施し、6か月後の追跡調査も年度内に終了することができた。この介入結果を参考に、平成29年度以降は追加の介入を実施していく予定である。よって、本研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は平成28年度の実施状況を踏まえて、目標のサンプルサイズに到達するよう、介入を実施していく。引き続き、全国健康保険協会A支部を研究協力機関とし、若年労働者人口の多いA県C地域を研究フィールドに移す。対象者の募集は、全国健康保険協会A支部に加入する企業の社員で、肥満(BMI≧25)の男性に参加を勧奨する。また、C地域の行政機関等の協力を得て、保健事業の参加者や職員にも対象者募集の文書を配布する。介入の実施時期は6月からとする。 介入では、保健師等の専門職を確保して対象者への支援を実施する。介入の一貫性が保つため、事前に専門職と十分な打ち合わせを行い、プロトコール(支援内容・方法)についての共通理解を図る。
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Causes of Carryover |
平成28年度は対象者数が当初の予定よりも少なかったため、調査票の入力や保健指導にかかる経費に余りが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、目標とする対象者数を確保するため、研究フィールドをA県B保健所管内から若年男性労働者の人口が多いA県C地域に移す。対象者の募集方法を変更し、全国健康保険協会C支部に加入する企業や行政機関、住民等にも広く参加者募集の文書を配布し、対象者を公募する。介入期間は12週間とし、作成したウェブサイトと集団指導等の人的支援を併用した減量プログラムを実施する。 対象者の募集では、参加者募集の文書の印刷、全国健康保険協会C支部に加入する企業や加入者への送付費用を必要とする。また、介入の実施にあたり、ウェブサイトのサーバ使用料・管理費、プログラム案内文書および調査票の郵送料、介入を依頼する専門職への謝金、会場費、調査票の入力・解析費用、研究者の旅費を必要とする。その他に、これまでの実施結果を論文投稿するための費用、学会参加費用を必要とする。
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Research Products
(4 results)