2021 Fiscal Year Research-status Report
家族も共有できる在宅重症心身障害児における体調アセスメントツールの開発および評価
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16K12305
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
古株 ひろみ 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (80259390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 淳子 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (00594269)
泊 祐子 関西福祉大学, 看護学部, 教授 (60197910)
流郷 千幸 聖泉大学, 看護学部, 教授 (60335164)
玉川 あゆみ 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (70732593)
川端 智子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (10599666)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 重症心身障害児 / 家族 / アセスメントツール |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅で生活している重症心身障害児の体調を、医療の専門職や子どもの支援者が家族と共有できるアセスメントツールを開発することが本研究の目的である。アセスメントツールを使用することで、児の体調を客観的に捉え、体調に応じた活動を判断することを共有できる機会が得られることで、家族と支援者が納得できる決定に繋がると考えている。重症心身障害児の体調を判断するには、非言語的コミュニケーションや観察などから、子どもの普段とは違う何かに気づく力が必要となる。そこで、今年度の成果としては、専門職らはどのようなことから普段との違いに気づいて体調の変化を察知(アセスメント)しているのか明らかにすること目的とし、日頃から重症心身障害児に関わっている30歳代から60歳代の専門職(訪問看護師、学校看護師、小児外来担当看護師、支援学校教員、デイサービス勤務看護師)9名に半構造化インタビュー(平均時間約63分)を実施し質的帰納的分析を行った。その結果、モニターからの情報(心拍数や上昇の変化、呼吸数、呼吸状態の変化、SPO2、体温、体重)よりも前に、顔色や、目の輝き、目を合わせる視線からの情報、緊張の程度や手から感じ取る情報(汗、振動、痩せた感じ)などから気づきを得ていた。それらは、他の観察事項とも組み合わせて総合的に判断する呼吸・循環・免疫(体力)低下・発作・脱水などの予測への手がかりとなっていた。この成果は、今年度の学会の演題に登録し発表する予定である。この結果をもとにアセスメント項目を作成し、画像などの客観的指標を取り入れながら、アセスメントツールの精度を検討し、評価・改善を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
アセスメントツールを使用するのに必要な観察項目についての整理を行った。この結果を基にプレテストを計画している段階で、再び新型コロナウィルス感染症が拡大してきており、特に重症心身障害児に対しては、感染による影響が大きいため研究を遂行することが難しくなった。また、AIなどの急速な発展により研究に関連するソフトや情報機器が進歩してきたことから、表情による観察ツールの採用決定までに至ることが難しい状況であったため、引き続き延長するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にて、倫理審査会に申請後、アセスメントツール観察項目および表情認識ソフトをを実際に活用し、家族や多職種などの共有が可能であるかの検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染症拡大により研究が進まず、購入予定の備品などが購入できなかった。そのため、研究分担者から分担金の返済があった
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