2016 Fiscal Year Research-status Report
独居高齢者の認知症状に「気づき」支援に「つなぐ」民生委員のコンピテンシー
Project/Area Number |
16K12308
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松下 由美子 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (50331806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手 亘 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (20167258)
森本 安紀 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (30632997)
菱田 知代 千里金蘭大学, 看護学部, 助教 (40402705)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ひとり暮らし高齢者 / 認知症 / 民生委員 / コンピテンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,標準的なモデルであれば同居家族が認知症状に「気づき」介護・医療支援に至るプロセスを,独居高齢者の場合には,定期的な見守り支援を行う民生委員が家族に代わる「気づき」→「つなぐ」役となって介護・医療支援へと至る支援モデルを構築する.そのために,独居高齢者の認知症状に早期に「気づき」介護・医療支援に「つなぐ」民生委員のコンピテンシーについて明らかにすることを目的としている. そこで今年度は,居宅介護支援事業所に勤務する『ケアマネジャー』3名に半構成的インタビューを行った. インタビューの結果,居宅介護支援事業所に勤務するケアマネジャーが考える,独居高齢者の認知症状に早期に「気づき」介護・医療支援に「つなぐ」民生委員の能力,資質としては,中核症状や周辺症状など『認知症に関連する知識』とともに,『介護保険制度に関する知識』を持っていることが挙げられた.その上で,民生委員として自己の役割に責任感を持ちながら,定期的に家庭訪問を行うなど『責任感に基づく継続的な役割遂行』が行えること,さらに『個別の状況に臨機応変に対応しながらも,常に「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」の遵守』ができることが重要と考えていることが推察できた.また,民生委員自身が自らのコミュニティ(土地,風土,文化)に対して愛着を持ち,このような郷土愛に根ざされた“助け合い”“かばい合い”といった『相互依存の心情による近隣住民に対する忠義』を意識していることも大切であるとケアマネジャーらが認識していることが明らかになった. ただし今回の結果は,3名のケアマネジャーからのインタビューによるものであり現時点では暫定にすぎない.今後は,ケアマネジャーへのインタビューを増やすとともに,民生委員本人および地域包括支援センターに勤務する社会福祉士にもインタビューを行い,分析結果を洗練させていく必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
インタビューを 民生委員,ケアマネジャーそれぞれ8名ずつ行う予定であったが,現在は,ケアマネジャー3名程度でほとんど進んでいない. 今後は,速やかに民生委員,居宅介護支援事業所に勤務するケアマネジャー,地域包括支援センターに勤務する社会福祉士それぞれにインタビューを行い,それぞれの分析を行う.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,民生委員,居宅介護支援事業所に勤務するケアマネジャー,地域包括支援センターに勤務する社会福祉士ら各々に約8名ずつのインタビューを行い,それぞれの分析を行っていく.そのうえで,アンケート調査の項目アイテムとなる質問紙を作成し,質問紙調査を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
来年度,開催される国際学会(2018 ICN &EAFONS:於ソウル 1月予定)に参加予定のため,あえて次年度予算とした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2018年1月に開催予定の看護国際学会の旅費として使用する予定である.
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