2016 Fiscal Year Research-status Report
睡眠に対する介入による抑うつ発症リスクの低減に及ぼす効果の検証
Project/Area Number |
16K12322
|
Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
西谷 直子 椙山女学園大学, 看護学部, 教授 (10587009)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 久孝 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (80153873)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 睡眠 / 抑うつ / アテネ不眠尺度 / CES-D / 健康診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究に協力の得られた日本車輛製造株式会社の従業員約2,000名を対象に、毎年の健康診断時期である5月から7月に自記式の質問紙調査を実施した。調査の内容は、不眠に関してWHOによって作成されたアテネ不眠尺度を使用し、抑うつに関しては信頼性と妥当性の確立されているCES-Dを使用した。基本属性や生活習慣、職種や時間外労働の有無なども調査した。これらの調査は対象企業の保健師が担当し、実施された人数は1,908名(男1,760名、女139名、性別不明9名)だった。またアンケート結果は、企業が責任を持って匿名化しデータベース化を行った。データベース化された内容に基づき、研究分担者である名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻教授(榊原久孝)の助言、指導の下、研究代表者(西谷直子)が分析中である。 個別保健指導は、健康診断結果の保健指導場面を利用して、抑うつ得点が高い人(CES-D:20点以上)に対して、対象企業の保健師が睡眠を中心にした保健指導を実施した。保健指導は企業内保健師により、特に睡眠についてしっかり聞き取りを行い、厚生労働省から出された「健康づくりのための睡眠指針2014」を活用して実施した。実施者数は、128名(男性121名、女性7名)であった。 集団健康教育は、すでにある企業内教育システムを活用して実施予定だったが企業の都合で平成28年度は実施なしだった。 アンケート実施者の睡眠状況と抑うつ状況及び健診結果状況との関連、また同様の内容について個別保健指導実施者の状況について現在分析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、毎年の健康診断時期にあわせて睡眠状況、抑うつ状況に関するアンケート調査、基本属性や生活習慣、職種や時間外労働の有無などの調査についても実施できた。またその結果についてデーターベース化が実施でき、分析データとして分析を進行しつつある。 保健指導は企業内ですでに予定通り実施できた。健康教育については、既に存在する職場の集団教育システムを利用して実施する予定だったが、平成28年度はその機会がなく、この点についてのみ予定とは異なった。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度についても、平成28年度同様に、不眠に関してアテネ不眠尺度を使用し、抑うつに関してはCES-Dを使用し、自記式の質問紙調査を実施する。基本属性や生活習慣、職種や時間外労働の有無なども調査する。これらの調査は企業側が健康診断と同様に、得られた情報を管理する。またアンケート結果についても責任を持って匿名化しデータベース化を行う。平成28年のデータをベースラインとして匿名化されたIDにより個人経過が追跡できるデータベースとして整理する。この連結されたデータを使用して縦断的に分析を進める 平成28年度に介入を実施したことによる睡眠及び抑うつ症状の変化については、アンケート結果を活用し、2年間のデータを基に分析を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
初年度は、データ収集が主な作業であったため共同研究者との連絡等で互いに出向く機会が少なく、旅費費用が予定より削減できた。個別保健指導は企業内保健師が実施したため、講師料金が発生せず、また集団教育に使用する予定の講師料や備品費用は企業の都合で実施なしだったため、発生しなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、データ収集が2年間蓄積するため、縦断的なデータ分析及びその解析に共同研究者間で打ち合わせなど旅費費用が多くなる予定である。また、個別保健指導及び集団指導について、研究2年目によりその機会に使用するパンフレット等消耗品の種類の変更が生じる可能性があり、また備品等の費用も見込まれる。 したがって上記内容に平成28年度の次年度使用額をあてて使用する予定である。
|