2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K12528
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Research Institution | Niigata University of International and Information Studies |
Principal Investigator |
近山 英輔 新潟国際情報大学, 情報文化学部, 准教授 (00525602)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞シミュレーション / FPGA / 専用機 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、生物学研究者等の数値シミュレーションの非専門家にも占有利用可能で、かつ、実験的な時系列計測データの解析に対応した3次元細胞シミュレーション専用機を開発することを目的としている。初年度はまず、1基板9ノード機の試作を目的とした。1基板9ノード機は、今回開発する専用機の最小ユニットであり、10×15 cm の1個の両面プリント基板上に9個のFPGAノードと関連電子部品を実装し、2 次元的に東南西北のFPGAをインターコネクトするものであり、FPGAとしては、当初、Altera社(申請時)のCyclone IIIを用いる予定であったが、開発環境の関係や、Altera買収などの不安要素を考慮し、Xilinx社のSpartan系に変更した。FPGAであるSpartan 3E、コンフィギュレーション用IC、USB用IC、USBコネクタ、JTAG用配線、各種電源用レギュレーターなどの部品を含む回路設計と基板パターン設計を、回路・パターン設計ソフトウェアを用いて行った。さらに、ガーバーデータ/NCプログラムに変換し、プリント基板用NCフライス装置を用いて、基板へのパターン切削と調整を繰り返し行った。その過程において、年度途中で、NCフライス装置のY軸方向の動作の故障が出現し、0.1~0.2 mmレベルの精密なパターン切削が不可能になった。その後、様々な調整を試みたが、回復せず、0.5 mmピッチQFPタイプのパターン切削が行えない結果となった。そこで、急遽、プリント基板製造会社に発注する形式を取ることにし、最初に発注する回路・パターンの再設計を終了した状態になっている。予定していた装置等の入手は概ね順調に進めたが、NCフライス装置の故障による遅延の影響で、FPGA等の電子部品の追加購入を次年度使用額として繰り越す結果になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
10×15 cm の1個の両面プリント基板上に9個のFPGAノードを結合・実装する1基板機の開発を進めたが、試作機の実装に用いたNCフライス装置が故障し、精密なパターンを掘削できない状態になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
NCフライス装置の修理・調整を行うと同時に、代替手段として、プリント基板製造会社への外注も利用する。9個のFPGAを互いに結合した1 基板9 ノード機の試作を完成させる。FPGAはXilinx社のSpartan 6を用いる。1基板9ノード機 とPC とを接続するUSB インターフェースを開発する。PC からのデータ送受信や制御を行うソフトウェアを開発する。 次に、8 個の1 基板9 ノード機 を相互接続した2 段8 基板72 ノード機の回路設計、基板パターン設計を進める。8 基板72 ノード機は、4 基板ずつ2 段化し、上階層、下階層も加えて3 次元的にインターコネクトする。 最終年度は、3 次元的に162 個のFPGA を接続し、配列させた、18 個の1基板9ノード機を相互接続した18基板機を開発する。演算用ボードとインターフェース用ボードで構成される予定である。 各年度で、FPGAに転送する3次元細胞シミュレーションのVHDLコードの回路設計を適宜行い、顕微鏡画像などの実データの試用も検討してゆく必要がある。
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Causes of Carryover |
年度途中にNCフライス装置が故障して基板開発の進捗が遅延し、予定していた集積回路などの部品購入を次年度に繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越し分は、当初の計画に合わせて、集積回路などの電子部品購入に用いる。
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