2017 Fiscal Year Research-status Report
自動昇降型中層フロート観測情報を用いた海洋鉛直流の推定
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16K12591
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 聡 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90392969)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アルゴフロート / 海洋循環 / 大気海洋相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルゴフロートのモニタリング情報と水温塩分プロファイルから鉛直流成分を抽出するアルゴリズム開発に取り組んだ。数値シミュレーションの結果から大きな鉛直流が期待される爆弾低気圧の通過を経験したアルゴフロートの観測結果を重点的に解析した。2015年から2017年の冬季に得られた1148プロファイルのうち、爆弾低気圧の通過を経験したものは73プロファイルあった。このうち、最も急発達した2016年3月1日の事例では、水温塩分プロファイルは低気圧通過に伴って、混合層の深さが100m程度深くなっていた。この事例について鉛直流の推定を試みた。しかしながら、計測ノイズの処理と段階的なピストン変動の処理が難しく、鉛直流速の推定には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度から研究代表者の勤務先が変わり、引継ぎや業務内容の変更に対する対応のため、本研究の解析に充てる時間が十分に取れなかった。また、想定以上にアルゴフロートの計測ノイズとピストン変動の処理が困難で、鉛直流の推定アルゴリズムの完成に至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
計測ノイズ除去とピストン挙動の同定を集中して解析し、鉛直流推定手法の確立を目指す。同一フロートでのピストン挙動が一定であると仮定し、1回のピストン変化に伴う体積変化を定量化し、浮力変化と環境場の鉛直流との分離を行う。また、複数のノイズフィルタリング手法を試し、計測ノイズの適切な除去手法を調べる。さらに、ノイズ源を特定するため、船舶による海上気象の高頻度観測を行う。
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Causes of Carryover |
研究代表者の異動に伴う業務内容の変更のため、十分な研究時間を確保できなかったことと、想定以上に計測ノイズの処理と段階的なピストン変動の処理が難しく、鉛直流速の推定に至っていないため、多数のアルゴフロートを処理するための計算機費用が掛からなかった。このため、今年度はノイズ要因を特定するための船舶を用いた海上気象の高頻度観測費用に使用する。
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Research Products
(5 results)