2018 Fiscal Year Annual Research Report
Estimate of ocean vertical velocity using observation information of profiling floats
Project/Area Number |
16K12591
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 聡 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90392969)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アルゴフロート |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、海洋渦や強風によって強い海洋の鉛直流が励起される黒潮域の大気海洋状態を把握するため、船舶と沿岸での海陸同時観測を実施した。期間は2018年10月11~20日、11月5~9日、11月12~16日の3期間である。1回目は東京大学の新青丸、2回目、3回目は三重大学の勢水丸が潮岬沖の黒潮付近で海上海洋観測を実施し、陸上観測は京都大学防災研究所潮岬風力実験所で実施した。船舶ではGPSゾンデによる大気鉛直プロファイル観測とCTD、UCTD、XBTによる海洋鉛直プロファイル観測を実施した。陸上ではGPSゾンデ、ドップラーライダー、パイロットバルーン、ドローンによる大気境界層観測を実施し、近接する海洋と陸上の大気状態の違いを観測した。また、研究期間全体を通して、アルゴフロートのモニタリング情報と水温塩分プロファイルから鉛直流成分を抽出するアルゴリズム開発に取り組んだ。数値シミュレーションの結果から大きな鉛直流が期待される爆弾低気圧の通過を経験したアルゴフロートの観測結果を重点的に解析した。2015年から2017年の冬季に得られた1148プロファイルのうち、爆弾低気圧の通過を経験したものは73プロファイルあった。このうち、最も急発達した2016年3月1日の事例では、水温塩分プロファイルは低気圧通過に伴って、混合層の深さが100m程度深くなっていた。この事例について鉛直流の推定を試みた。しかしながら、計測ノイズと段階的なピストン変動の適切な処理、時刻情報しかないピストン変化記録と圧力情報しかない水温・塩分記録との対応関係の精度良い推定が実現できず、研究期間内に鉛直流速を推定するには至らなかった。今後、本研究期間内に得られた観測データを解析し、アルゴリズムの開発を引き続き進めていく。
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Research Products
(15 results)