2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K12687
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田畑 智博 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (40402482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 恵子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (80591742)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 環境政策 / 人間生活環境 / 廃棄物再資源化 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、神戸市に居住する70歳以上の高齢者を対象に、容器包装プラスチック(以下、容リプラ)の分別に関するWebアンケート調査を行った。質問は、デモグラフィック属性(性別、世帯数、年収など)と本質問である。本質問では、容リプラの種類別での資源ごみへの分別頻度(5段階)、ごみ分別・ごみ出しを行う主体(本人、その他家族、ボランティアなど)である。容リプラは、パック・カップ・弁当容器等の6種類に分類した。回収サンプルは413である。但し、Webアンケート調査ではインターネットを利用できるモニターが回答対象となるため、神戸市のみでは70歳以上のモニター数が極めて少なかった。そのため、神戸市から近く、本市と同様に容リプラの分別収集をしている大阪市でも同じ調査を行った。また、69歳以下のモニターに対しても、70歳以上の同居人がいる場合は調査に協力してもらうこととし、70歳以上の同居人が代理で回答するという形式を取った。 別途実施した20歳~69歳までのアンケート調査結果(サンプル数1,242)と組み合わせて評価をした結果、容リプラの分別率は、世帯数でみると、単身世帯よりも2人以上世帯の方が、分別割合は高くなっている。この世帯は、既婚者や子供を有する世帯が該当し、独身者に比べてごみの分別意識が高いためであると考えられる。年齢階級別でみると、69歳までは上昇していく傾向が読み取れた。一方で、70歳以上になると、分別割合は下がってくる傾向にある。これは、体力や認知機能の衰えにより、ごみ分別作業が十分にできなくなるためであると考えられる。 現時点では、70歳以上の高齢者のサンプルが少なく、これを補完するためにコープこうべの会員約2,900名に上述と同様のアンケート調査を郵送で実施した。会員には高齢者が多く、高齢者からの回答を得ることで、研究を推進するための基礎データを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請段階では郵送による調査を予定していたが、神戸市の個人情報保護方針により選挙人名簿等を用いることが不可能であったため、郵送による調査は断念し、次善策であるWebアンケート調査を行った。また、コープこうべへの依頼のもと、郵送調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、昨年度にコープこうべの会員を対象として実施した調査結果を整理するとともに、高齢者のごみ分別率の数値の精緻化を行う。また、全国の自治体を対象として、ごみ出しやごみ分別に関する事業の実施状況、その効果や将来の課題等に関する郵送紙調査を実施する。
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Causes of Carryover |
当初予定をしていた神戸市民を対象とした郵送調査が不可能となったため、当該調査に用いるはずだった費用への支出が抑えられたことが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は市町村を対象とした郵送調査を予定しており、本調査に伴う諸費用に利用する。また、調査結果の解析に伴う人員の雇揚げにも利用する。
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Research Products
(5 results)