2017 Fiscal Year Research-status Report
放課後児童クラブ(学童保育)で行う消費者教育システム構築に関する実証研究
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16K12693
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
清水 理子 (片平理子) 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (70204427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 協子 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (00343525)
河村 美穂 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (00361395)
千歳 万里 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 講師 (70573715)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放課後児童クラブ / おやつ / 消費者教育 / 食育 / 教育効果 / プリシード・プロシードモデル / 持続可能性 / 連携体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.神戸市内の5つの放課後児童クラブにおいて、食を取り入れた消費者教育プログラムを実践した。前年度の実績から、プリシード・プロシードモデルを援用し、施設の立地条件・設備、運営母体、運営方法等の異なる各クラブの教育・環境診断を基に、それぞれの施設に適するプログラムを作成、実施し、段階別に評価するという流れで実践した。実施したプログラムは、”遊びの要素を取り入れている”ことが特徴であり、約1カ月をかけて、A「ぬり絵絵本づくり」、B「ランチョンマットづくり」、C「人間スゴロク(外遊び)」、D「手遊び付きおやつソングを歌う会」の4種類のプログラムを実施した。その結果、前年度に抽出された放課後児童クラブにおける教育実践の6要件(Ⅰ実施連携体制強化に関する3項目:①施設長との協働、②職員への説明と協力要請、③児童へのプログラム事前周知、Ⅱプログラム内容に関する3項目:④児童の遊びとして成立すること、⑤イベント要素と日常に溶け込む継続性、⑥報酬の仕組み)を充足することで、円滑な実施と教育効果の向上につなげられることが明らかとなった。
2.M放課後児童クラブの夏休み行事「班ごとクッキング(縦割りグループで行う買い物と調理体験)」の観察調査、児童への質問紙調査、職員へのインタビュー調査を行った。この行事を消費者教育の枠組みで捉えて分析した。行事内容を職員と研究者が連携して検討・修正し、次年度に消費者教育の効果を上げるプログラムとして実施することを計画中である。
3.兵庫県の放課後児童支援員対象の放課後児童クラブにおける「おやつ提供」の実情と支援員の知識・意識に関する質問紙調査を行った(本調査 9・1・2月の計3回)。約250人からの回答が得られた。次年度も引き続き調査を行い、集計・解析の後、放課後児童クラブで行う消費者教育のヒントとなる「おやつガイド」の作成を計画中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.放課後児童支援員対象の質問紙調査の開始が当初の計画から1年遅れ、平成29年度からとなったため:調査票回収、データ入力、集計、解析作業の全体に遅れが生じ、結果を基に作成する予定の「おやつガイド」内容の検討が遅れている。
2.消費者教育効果測定の客観的・主観的指標作成が難航しているため:放課後児童クラブで実施する児童対象の質問紙調査の、①時間や場所の制約を解消する方法、②回答中の児童の集中を維持し、信頼性・再現性を担保する実施方法、③①②の解決を含め、「妥当性の高い指標内容」の検討が遅れている。
3.個別の実践から得られた知見の一般化、法則性の検証が難航しているため
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Strategy for Future Research Activity |
1.質問紙調査を進め、放課後児童クラブで行う消費者教育のヒント集「おやつガイド」作成を進める。その際、イベント型の活動と日常に溶け込む内容の2類型として示すことを心がける。
2.「班ごとクッキング」の内容を充実させて実施し、放課後児童クラブと外部資源の連携・協働の意義を明らかにする。同時に、放課後児童クラブにある資源のみで消費者教育を推進する方法も明らかにする。
3.これまでの2年間に行った7事例を多面的に分析し、「放課後児童クラブで行う消費者教育」システムの構成内容、システム構築の要件整理を行う。本研究から明らかにできた点、残された課題についてのまとめを行う。
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Causes of Carryover |
(理由)平成28年度から実施する予定の質問紙調査が、29年度からに延期になり、これに必要な経費の執行が遅れたため。 (使用計画)平成30年度に遅れている調査の続きを実施する。
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Research Products
(4 results)