2016 Fiscal Year Research-status Report
子どもの学びを解明し理科教師のコンピテンシーを高める授業の探究の技法の開発研究
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16K12761
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
磯崎 哲夫 広島大学, 教育学研究科, 教授 (90243534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野添 生 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (20751952)
平野 俊英 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70325033)
磯崎 尚子 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (70263655)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 科学教育 / 教師教育 / 教師知識 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヨーロッパを中心に提唱されているDidactic Transposition Theory (DTT)やAnthropological Theory of Didactic (ATD)の理論を検討し,教師知識との関連及び日本の授業研究のプロセスへの適用について検討した。その結果,教材研究と学習指導案作成の過程において,これらの理論や教師知識のカテゴリーが分析ツールとして用いることが可能であることが明らかとなった。 海外の調査として,DTTやATDの理論を援用することにより,科学教育で学ぶ知識について分析・検討を行うと共に,イングランドにおける学びの視座に基づいた授業について現地調査を行い,その特徴について分析を行った。その結果,教師が,科学者による知的生産による知を教育実践の知的集合体における知へ転換するプロセスにおいては,教師を取り巻く社会文化的文脈が大きく影響していることが明らかとなった。また,イングランドの科学授業の特徴として,すべての生徒が将来の科学的素養を持ち社会参画するという科学教育の基本的な考え方に加え,協働的な相互作用を通して自らの理解を広げ深めるという子どもの学びが,正統的なアプローチとなっていることも明らかとなった。 国内の調査として授業研究における分析観点の検討を行った。授業実態から教師言動・生徒言動・授業環境・授業文脈の4視点で,教師知識の反映や成果として収集可能な事項を観点に仮定し,立案と実態の対比を企図した。例えば,教師言動では学習課題指導,実験等活動指導,情報提示方法,焦点化技法の4つ,授業文脈では単元展開型,指導方略,学習方略,コミュニケーション型の4つを挙げた。内容妥当性の精査を目的に中学校理科教員7名へ授業研究での分析観点を問う面接調査を行ったが,観点全てで使用同意が得られたほか,授業文脈に「研修課題」を付加すべきことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画に基づいて研究を進め、得られた結果をまとめ、本研究の知見として国内外の学会において口頭発表をしたり、本研究にも関わる研究知見が国内外の論文として出版されている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、研究代表者と分担者が綿密に協議を行いながら、平成29年度の研究を進めるとともに、国内外の学会において発表し、他の研究者から得たコメント等を研究に反映させる。
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Causes of Carryover |
研究分担者(平野)が国内での調査や成果発表の旅費に6万円設定したが、いずれも居住する愛知県での実施となり、研究経費から旅費の支出を伴わない形で実行されたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者(平野)が、平成29年度において旅費(成果発表旅費)として組み込んで使用する。
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Research Products
(12 results)