2019 Fiscal Year Annual Research Report
Risk perception and preventing accidents during disaster-volunteer activities
Project/Area Number |
16K12836
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
太刀掛 俊之 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 教授 (90379222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 真由子 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (70823764)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 事故予防 / 災害ボランティア / 利他性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度はこれまでに積み残していた研究計画の実施を行った。具体的には,災害ボランティア活動時のリスク認知・態度や,安全を配慮すべき責任の主体について明らかにするため,4,000名を対象にしたインターネット上の質問紙調査を行った。 この結果,過去に災害ボランティアを行った経験のある者は,全体の9.3%であり,災害ボランティア経験が有る者は,経験が無い者と比較して,安全確保のための物品を自分自身で準備したほうが良いと考える傾向があることや,作業時間を延長することや休憩しないことに対して許容的な態度を示す傾向があることなどが見出された。また,安全を配慮すべき責任の主体については,全体の傾向として,事故の被害者になることを想定した場合には,自己の責任とみなす回答の割合が約4割,コーディネート組織の責任とみなす回答の割合が約6割となる結果となった。災害ボランティア活動は,自主性・自発性に基づく行動とはいえ,災害ボランティアに関与する組織は,参加者のリスク認知・態度を十分に考慮したうえで,安全確保についての対応が求められることを示唆している。 さらに,これまでに得られた知見を活かすため,NPO団体との意見交換を踏まえたうえで,災害ボランティア参加者に対する伝達のしやすさを念頭に,安全を確保するための基本方針について検討を進めた。具体的には,留意事項として,1.被災者と支援者双方の,健康と安全を守ること,2.健康と安全の観点から,無理な活動はしないこと,3.健康と安全を確保したうえで,活動の自発性を尊重すること,4.健康と安全に関する,経験や知識を相互に補完し,常に学習すること,の4点に集約し,今後のボランティア活動へ還元することとした。
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Research Products
(1 results)