2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K12873
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 直樹 京都大学, 医学研究科, 助教 (60636637) [Withdrawn]
井上 貴博 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80511881)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生体シュミレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
腹腔鏡下手術における既存のシミュレータは、臓器の挙動の再現性と三次元可視化に重点がおかれており、そもそも安全性の向上に焦点をあてトラブルシューティングを主目的としたシミュレータは現存しなかった。我々は、各臓器の弾力を反映した臓器シミュレータモデルの開発をすべく、まず我々は独自に作成した新規デバイスPressure Measuring Grasper (PMEG)を用い、外科医の加えた外力と臓器の変形との関係のデータ化を目的とした。PMEGの検証実験として、我々は分銅を用いた圧力測定と、既知の硬度であるコイルスプリングを用いた硬度測定を行い、PMEGにて正確に圧力と硬度を測定出来ることを確認した。次に全身麻酔下のブタの生体内にてPMEGを用いた臓器硬度の計測を行った(肝臓、腎臓、脾臓、小腸、大腸、胃、胆嚢、膀胱)。臓器に鉗子等で外力を与えた場合、この外力が大きくなるにつれ臓器は徐々に変形し、ある一定の力で、変化量は一定であった。また大腸や胆嚢など管腔構造の臓器では、外力によって変化量は大きく変化し、緊満させた膀胱では外力を加えても変化量はわずかであった。動物生体内での臓器と外力の関係を測定することに成功し、論文発表した。今後、生体動物の各臓器の硬さや破損限界などを測定しデータバンク化し、これらのデータをシミュレータ上で再現することで、実際の手術に極めて近いクオリティの操作感が得られるものと考えている。現在、術中トラブルを手術画面上に再現できるシステムの構築、また、臓器の圧力・硬度測定デバイスの改良など検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は独自に作成した新規デバイスPressure Measuring Grasper (PMEG)を用いることで、ブタの生体内での臓器と外力の関係を測定することに成功し、論文発表を行った。今後、生体動物の各臓器の硬さや破損限界などを測定しデータバンク化することで、これらのデータをシミュレータ上で再現することを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時に計画していた内容を概ね遂行する予定である。
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Research Products
(4 results)