2016 Fiscal Year Research-status Report
MRIが拓く厚い3次元生体組織のマイクロ・マルチイメージング技術の挑戦的創出
Project/Area Number |
16K12875
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
城 潤一郎 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 助教 (60511243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 磁気共鳴イメージング / 組織工学 / ドラッグデリバリーシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、厚い3次元生体組織の評価を生きたままで高繊細に複数分子を同時に画像化できる、新しいマイクロ・マルチカラーイメージング技術を創出することである。本年度は、組織工学を用いた厚い3次元生体組織の作製とマルチカラーイメージングのための化学交換飽和移動(CEST)造影剤の作製を試みた。 組織工学を用いた厚い3次元生体組織の作製については、骨形成因子(BMP-2)の体内徐放化による再生骨組織の作製を試みた。すなわち、生分解性水溶性高分子のゼラチンを化学架橋することにより、ゼラチンハイドロゲルを得た。得られたゼラチンハイドロゲルの乾燥体に骨形成因子(BMP)-2を含む生理食塩水を添加することによって、BMP-2をゼラチンハイドロゲルへ含浸した。BMP-2含浸ゼラチンハイドロゲルをマウス背部皮下に埋植したところ、埋入部位に骨組織が再生されていることがわかった。 マルチカラーイメージングのためのCEST造影剤を作製するため、分子量の異なるデキストランへキレート残基(Diethylenetriamine-N,N,N',N",N"-pentaacetic acid)を化学導入した。キレート残基導入デキストランへガドリニウムイオンを添加し、ゲル濾過にて精製した。原子吸光法を用いて、キレート残基導入デキストランへガドリニウムが配位していることを確認した。今後は、異なるキレート残基(1,4,7,10-tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid)の導入を検討し、CEST効果をもつ異なる金属イオンを配位させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
厚い3次元生体組織の評価を生きたままで高繊細に複数分子を同時に画像化できる、新しいマイクロ・マルチカラーイメージング技術を創出するための組織工学を用いた厚い3次元生体組織の作製およびマルチカラーイメージングのための化学交換飽和移動(CEST)造影剤の作製について目途が付いているため。
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Strategy for Future Research Activity |
新しいマイクロ・マルチカラーイメージング技術を創出するための組織工学を用いた厚い3次元生体組織の作製については、体内徐放化以外の方法(体外作製法)についても検討する。マルチカラーイメージングのための化学交換飽和移動(CEST)造影剤の作製については、早期最適化を目指し、厚い3次元生体組織への適用を行う。
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