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2016 Fiscal Year Research-status Report

イメージトレーニング中の得手・不得手場面を顔面皮膚血流の反応から抽出する試み

Research Project

Project/Area Number 16K12991
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

林 直亨  東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (80273720)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 正木 宏明  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (80277798)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords顔面皮膚血流 / イメージトレーニング
Outline of Annual Research Achievements

選手が競技に対して苦手意識を抱く場面を客観的に抽出することは可能だろうか.研究代表者は,顔面皮膚血流が情動に伴って特異的に反応することを報告(Kashima & Hayashi, PLOS One 2011等)して以来,イメージトレーニング中の顔面皮膚血流の変化から,苦手場面の抽出が可能と予想してきた.そこで本年度は,イメージトレーニング中に記録した顔面皮膚血流の変化から,苦手と関連して血流が部位特異的に変化するかを確認し,苦手場面を抽出することが可能か検討した.
バレーボール経験が1年以上の大学生16名を対象に,レーザースペックル血流計を用いて顔の皮膚血流量を記録した.バレーボールにおけるサーブ動作の想起課題を実施させた.イメージは,アンダーサーブ1人称,アンダーサーブ3人称,フローターサーブ1人称,アンダーサーブ3人称の4条件とした.1試行を10秒のイメージと10秒のインターバルとし,1条件に16試行実施した.全課題終了時に各サーブが得意かを聴取した.
顔面皮膚血流量は,サーブの種類×人称×血流解析部位(左目,右目,額,鼻,上唇,下唇)の分散分析を行った結果,サーブの種類×人称×血流解析部位で交互作用が認められた.瞼の血流はアンダーサーブ条件,フローターサーブ条件いずれにおいても,変化率が大きかった.鼻の血流は,どの条件でも変化率が最も小さかった.
参加者15名が普段打つサーブはフローターサーブであると回答した.
バレーボールのサーブ動作のイメージ時には両瞼の血流の増加と鼻の血流の増加がみられることが示された.慣れている動作イメージを行うと,瞼における血流量はさらに増加すると考えられる.本研究ではバレーボールのサーブ動作時のイメージに限定したが,運動イメージ時における共通の特異的な反応を見つけることで,イメージトレーニングの客観的評価として利用できる可能性が推察された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

バレーボールのサーブ動作の運動イメージが,顔面皮膚血流反応と関連することが推察され,当初予定していた,,苦手・不安と関連して部位特異的に変化する部位の有無を確認できる可能性が高くなった.上記に加え,アメリカンフットボール選手にも同様の試行を行っており,現在解析中である.両種目において,同様の成果が得られれば,顔面皮膚血流応答から,運動の得手・不得手を判別できる可能性が示唆されると期待される.
顔面皮膚血流の応答については,再度解析して精査する必要があるが,研究全体はおおむね順調に進捗している.なお,本研究成果の一部は本年10月に国際学会にて発表する予定としている.

Strategy for Future Research Activity

平成28年度にバレーボール動作を対象に取得したデータを再解析するとともに,アメリカンフットボール選手を対象に取得したデータの解析を進める.また,今回実験に参加した選手のフォローアップ記録を行い,動作がうまくなったことで,苦手意識が減るあるいは得意意識が向上することに伴い,今回観察された瞼と鼻の血流反応が減弱するかどうかについて検討する.トレーニングに伴う動作イメージへの心理負担が,顔面皮膚血流に現れるかどうかを明らかにしていく.

Causes of Carryover

被験者募集の都合により,実験を開始する時期が遅くなり,予定していた学会発表ができなかったため,余剰が生じた.

Expenditure Plan for Carryover Budget

成果の一部を平成29年10月にヨーロッパで開催される学会で発表する予定としており(すでに抄録提出済み),そちらで使用する計画である.

URL: 

Published: 2018-01-16  

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