2017 Fiscal Year Research-status Report
人類の宇宙進出に伴う宇宙倫理学確立のための基礎研究
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16K13149
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
神崎 宣次 南山大学, 国際教養学部, 教授 (50422910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 弘継 京都大学, 文学研究科, 研究員 (00609795)
吉沢 文武 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 助教 (20769715)
稲葉 振一郎 明治学院大学, 社会学部, 教授 (40252944)
杉原 桂太 南山大学, 理工学部, 講師 (40410758)
水谷 雅彦 京都大学, 文学研究科, 教授 (50200001)
伊勢田 哲治 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80324367)
呉羽 真 京都大学, 宇宙総合学研究ユニット, 特定研究員 (80750215)
杉本 俊介 大阪経済大学, 経営学部, 講師 (80755819)
磯部 洋明 京都大学, 総合生存学館, 准教授 (90511254)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 宇宙倫理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度に引き続き本研究プロジェクトの最終成果物となるべき宇宙倫理学論文集の作成のため、各自の担当分野に関するディスカッションや宇宙倫理学という学問が全体としてどのような問題群に整理されるべきかといったディスカッションを行った。そうした作業の結果、秋には論文集の全原稿が揃うことになった。下の「現在までの進捗状況」の欄で述べるが、研究成果公開促進費にも採択されたこの論文集は、今後の日本において宇宙開発事業が推進されるに伴って生じてくる可能性のある多様な社会的あるいは倫理的問題を(法や経済ではなく)倫理学および哲学の観点から論じているという点で、またまだ生じていない宇宙開発に関連する倫理問題を予期的に論じているという点で、他に類のない重要な研究成果だといえるだろう。また、この論文集作成の作業の過程で得られた成果の一部は、学会やシンポジウム等の機会において既に公表されている。 その他、研究メンバー外の報告者を招聘して「地球外知性体とのコンタクト――科学哲学、言語哲学、人工知能から考える」という特別ワークショップも開催した。アストロバイオロジーに関連する倫理問題や地球外生命体とのファーストコンタクト問題に関する倫理学的・哲学的な議論は、国内ではまだ本格的に着手されているとはいえない状況であるので、このような機会は、今後のこの領域の議論の発展、ひいては日本における宇宙開発事業に貢献しうる、重要な意義を持つものだといえるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画申請時における主要な目的の一つであった宇宙倫理学の論文集の全原稿が既に揃っており、平成30年度科研費 研究成果公開促進費(学術図書)にも採択され、最終年度である次年度内の出版が確実になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である30年度は、上で述べた論文集を出版した上で、その論文集に関連した研究会を開く予定である。また12月に京都大学で開催される応用倫理国際会議に於いて宇宙倫理学のパネルを設置することになっている。
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Causes of Carryover |
来年度12月に京都大学で開催される応用倫理国際会議において宇宙倫理学のパネルを開催することになっており、そこに海外の研究者を招聘するための資金を確保するために次年度使用額が生じた。使用計画は、既に述べたように、海外研究者の招聘費用として用いる、というものである。
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