2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K13241
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
本田 弘之 北陸先端科学技術大学院大学, グローバルコミュニケーションセンター, 教授 (70286433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 良子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20347785)
森 篤嗣 帝塚山大学, 現代生活学部, 准教授 (30407209)
李 暁燕 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (70726322)
義永 美央子 大阪大学, 国際教育交流センター, 教授 (80324838)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生活者としての外国人 / 学校配布プリント / 日本語支援ボランティア / 外国人の保護者 / 日本の学校文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「外国人の保護者」を支援するために、毎日こどもが家庭に持ち帰る「学校配布プリント」を収集してデータベースを作成し、それに基づいて保護者と地域のボランティアのために「学校プリントを読むための教材」を作ることを目的としている。 まず研究実施に必要なデータを得るために、学校で配布されるプリントの収集とデータベース化をおこなった。すでに昨年度からこどもがいる研究分担者に依頼していたが、平成28年上半期までに収集できたプリントを対象として、プリントの分類基準を決め、それにしたがって分類をおこなった。この元データ(プリント)を分類ごとにOCRで読みとり、テキストデータ化する作業をほぼ終了した。 このプリントのデータ化と並行して、プリントに表れている日本の「学校文化」の特徴に関して検討し、研究代表者の本田弘之、研究分担者の李暁燕に加え、ジョーンズ・キンベリー氏(アリゾナ大学)、松永典子氏(九州大学)をゲスト討論者に迎えたパネル発表を『日本に暮らす外国人の保護者の支援と日本の学校文化をめぐって-学校配布プリントの調査と聞き取りの分析から見えてきたもの-』と題し、Bali ICJLE2016において2016年9月10日に行なった。 このパネルセッションにより、外国人保護者に説明しなければならない日本の独特な「学校文化」の様相が明らかになったと考えている。その内容をごく簡単にまとめれば、日本の学校では児童の個人的な学習活動以外に、「学校生活に慣れること」の指導、「集団(クラス)の助け合い」、食育等、児童の毎日の生活指導などが行われているが、このような「学習指導」以外の教育活動は「日本の学校文化」といってよいものであり、自身が日本の学校で学んだ経験のない外国人の保護者には、理解が難しいことが含まれている、ということである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の実施計画で予定していた「学校プリントの収集」を終えたばかりでなく、2年目に予定していたコーパスの作成について、その基礎となる読み取りとテキストデータ化まで終えることができた。これにより2年目に予定していたコーパスの作成を予定より早めることができると思われる。 当初計画では、予定していなかった1年目における成果発表を、日本語教育国際大会で行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画は、順調に進んでおり、このまま進行することができるものと考えている。平成29年度以降も予定どおり推進できるよう努力していきたい。
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Causes of Carryover |
年度末に収集したプリントを実見し、分類・整理するための出張を予定していたが、スケジュール調整の関係で、年度内の出張ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
できるだけ早い時期に改めて出張し、予定していた業務を行う。
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Research Products
(2 results)