2018 Fiscal Year Research-status Report
日本人英語学習者が不得手な目的格関係代名詞と関連構文の指導法開発
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16K13266
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
遊佐 典昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (40182670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 情浩 京都女子大学, 文学部, 准教授 (70513852)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 目的語関係代名詞 / 類似性に基づく干渉 / 手がかりに基づく文解析 / 相対最小性 / 効果的教授法 / フィラーと空所の依存関係 / 漸増的文処理 / 介在効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
英語の目的語関係代名詞節は、関連する文法知識を得たとしても、外国語学習者には、瞬時にかつ正確に用いることができず、学習・指導が困難な文法項目であることが知られている。本研究は、この困難さの要因を、文処理研究における「類似性に基づく干渉」から解明し、それにもとづき教材や指導法の開発をすることを目的とする。さらに、「類似性の干渉」を関連する構文に応用し、英語の効果的かつ効率的な学習法を提案する。 研究三年目の今年度は、目的語関係節の指導法に関する研究成果を学会発表すると同時に「目的語関係節の指導案―言語理論・言語獲得・文処理研究の観点から―」を執筆した。この論文は、査読も終わり、2019年度中に出版予定である。この論文では、学習者が目的語関係節を正確に用いる際に重要な「フィラーと空所の依存関係」をリアルタイムで構築するためには、介在要素である主語位置に語彙的に限定されていない名詞句、例えば、代名詞を用いて、フィラーと空所依存関係構築の基礎を固めることの重要性を指摘した。また、第二言語獲得に関する介在効果に関する研究を学会発表した。 上記の研究成果に加えて、言語入力が第二言語獲得に及ぼす影響に関する論文が、バイリンガリズムの国際誌に掲載された。さらに、生物言語学の一部である心理言語学、進化言語学、歴史言語学の最新の動向を扱った専門書を編集するとともに、生成文法から見た第二言語獲得の章を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 言語理論・言語獲得・文処理研究の観点から目的語関係節の指導案を学会で発表し、論文にまとめた。(2) 言語知識に変化を与える言語入力に関する論文、生成文法から見た第二言語習得に関する論文を執筆した。(1) (2)から研究はおおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、日本人英語学習者の目的格関係節の問題点を、介在要素が語彙的に制限さた名詞句か否かに焦点をあてて研究を行ってきた。しかし、研究の段階で、語彙的に制限された名詞句の場合でも数(number)や性 (gender)の相違が介在効果 (intervention effect)を弱める可能性が判明し、研究をより精緻化するために一年間研究を延長することにした。また成果の一部は,図書や論文,国内外の学会講演で公表予定である。
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Causes of Carryover |
日本人英語学習者の目的格関係節の問題点を、介在要素が語彙的に制限された名詞の場合に絞って研究を行ってきたが、研究の段階で、数(number)や性 (gender)が介在効果 (intervention effect)を引き起こす可能性が判明したために、この研究を次年度行うために繰越金が発生した。この繰越金は、介在効果の要因を幅広く扱い研究をより精緻化するために使用する。
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Research Products
(8 results)