2016 Fiscal Year Research-status Report
大規模災害発生時にSNSで共有される地理空間情報とその活用に関する地理学的研究
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16K13296
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
田中 耕市 茨城大学, 人文学部, 准教授 (20372716)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | SNS / 東日本大震災 / 地理空間情報 / 被災者 / 情報共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目的は、大規模災害の被災地における初期の対応において、災害耐性が強いインターネットSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を介して、住民に提供されるべき地理空間情報(避難所、物資補給所、井戸、給水所、通行可能な道路、営業店舗、医療機関など)を解明することである。そのために、2011年の東日本大震災を主な事例として取り上げて、被災直後に住民がSNSに発信し、SNSから取得しようとした地理空間情報を明らかにして、被災地の住民がそれらをもとにいかなる避難行動および生活維持行動をとったのかを明らかにする。 本研究では数あるSNSのうち、代表的SNSであるTwitter(ツイッター)のビッグデータを利用する。Twitterは携帯端末から手軽に情報を共有できる点で利便性が高く、東日本大震災の際にも、住民が避難・生活維持行動に役立たせた事例が散見された。 平成28年度は、主にTwitter上のツイートデータに対してのテキストマイニング解析を行った。はじめに、大震災災害発生直後に発信されたツイートのビッグデータに対してクリーニングを行った。これらの作業が終了した地域からテキストマイニング解析を開始して、地理空間情報とそれが使用された状況を明らかにした。事例地域の被災状況や時間の経過に伴って、取得・発信された地理空間情報の変化を明らかにした。次に、被災直後にTwitterを利用していた地域住民に対して聞取り調査を実施した。また、近い将来に津波被災が想定されている地域を対象に、広域災害発生時における二次的災害の軽減方法について地理空間情報の活用方法について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定していたツイートデータのクリーニングやテキストマイニング解析は概ね順調に進んでいる。想定していたよりも、不明瞭なデータが多くみられたが、可能な範囲でそれらの同定作業を行った。聞取り調査を含む現地調査については、協力先の都合等のやむを得ない事情から一部次年度に予定を繰り下げたものもあるが、代わりに地理空間情報の分析作業を予定よりも先行して作業を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、前年度の分析結果をもとに、聞き取り調査を含めた現地調査を進める。前年度の地理空間情報の分析で明らかにした内容との照合分析を行う。
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Causes of Carryover |
聞き取り調査等の協力者の都合等により、一部の調査の回数や時期を次年度に変更したために残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
聞き取り調査等の協力者の都合等により実施を延期した調査を今年度に実施して、昨年度使用予定分を使用する。
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Research Products
(2 results)