2017 Fiscal Year Annual Research Report
The role of evaluation in achieving SDGs
Project/Area Number |
16K13348
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Research Institution | 国際連合大学サステイナビリティ高等研究所 |
Principal Investigator |
長尾 眞文 国際連合大学サステイナビリティ高等研究所, サステイナビリティ高等研究, 客員教授 (10304461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 薫 文教大学, 国際学部, 教授 (30383219)
米原 あき 東洋大学, 社会学部, 准教授 (40633847)
齊藤 修 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 客員准教授 (50397668)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | SDG / サステイナビリティ / モニタリング評価 / SDG評価 / 事業前評価 / 評価可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
SDGは地球レベルの持続可能性という普遍的原則に基づく国際開発と協力の推進に関する国連加盟国間の合意であるが、その実現に法的拘束力がないため、エビデンス・ベースの国際的なモニタリングに多くの期待が寄せられている。しかしSDGの総体はプロジェクト、プログラム、政策といった通常の評価作業の対象をはるかに超えた政治的合意の集合で、単純な取組目標と達成度目標の関係づけが難しいだけでなく、複雑系(複数の目標のシステム、ネクサス)の考慮やマルチ開発主体の利害得失への配慮さらにはジェンダーや公平性といった価値基準の明示化要請等々、評価の難度を高くする要素を多々内包している。本研究はそのような認識を踏まえた上で、国際社会が立ち向かおうとしているSDG評価体系の構築と革新的な評価方法の開発に貢献しようとする萌芽的な試みであった。 研究の実施に当たっては、研究参加者がそれぞれの研究関心に沿って選択した特定のSDG目標の達成に関する評価研究と全員参加による評価の役割の検討を同時並行で行い、さらにSDG評価に関する日本政府の取組および国連開発計画を中心とする国際的協働作業についての聞き取りを継続的に行った。研究成果としては、SDGのモニタリング・プロセスの把握、SDG評価に対する多様なアプローチと戦略的視点の検討、開発現場のフィールド・レベルでの実態把握の重要性の指摘が挙げられる。成果の報告・周知については研究参加者全員の共同執筆によるSDG評価の考え方に関する論文をSustainability Science誌に掲載したほか、平成28年度の国際比較教育学会、平成29 年度の日本評価学会で報告を行った。また研究成果報告書にまとめた報告数編をもとに日本評価学会の学会誌『日本評価研究』でSDG評価に関する特集号を組む予定である。
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