2016 Fiscal Year Research-status Report
学級規模が授業中のフィードバックに及ぼす影響の即時的かつ継続的計測による実験研究
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16K13480
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
山森 光陽 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 総括研究官 (60370079)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学級規模 / フィードバック / 実験研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,実際の授業におけるフィードバックの実施状況の学級規模による違いを明らかにすることである。この目的を達成するために,実際の授業における,学級規模によるフィードバックの違いを明らかにすることを目的とする実験授業を行い,参加する児童全員及び教師にウエアラブルセンサを着用させることで,授業時間全体を通した児童全員と教師の状況を記録するとともに,フィードバックの内容に関する記録を行い,学級規模とフィードバック実施の具体的な状況との関係を検討することを計画した。 2016年度には,国立大学附属小学校第4学年の2学級を対象に,15人前後,20人,30人前後の3つの学習集団を実験的に設け,同一教員,同一指導案を用いた社会科の実験授業を実施し,データの取得まで進捗した。データの仮集計を行った結果,学級規模が大きくなるほど,教師が8割以上の児童と対面するまでの時間がかかることや,学習活動に参加していないと判断可能と考えられる児童が多くなることが示されている。 なお,研究計画の段階では,実験授業中にどのようなフィードバックが与えられたのかを把握するために児童質問紙調査と教師質問紙調査を実施する予定であったが,質問紙調査によらず,実験授業実施中に評定者2名が授業者の児童に対する言葉がけの内容を聴取し,即時にコーディングする方法に変更した。そのため,授業中に教師から児童に与えられたフィードバックの内容については,質問紙調査と比べてより正確に把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年間の研究計画の1年目である2016年度に,実験授業の協力校である国立大学附属小学校の承諾を取り,単元指導計画と学習指導案を作成し,実験授業を行い,データの取得に至った。なお,研究経費の充足率が約5割であったため,実験授業実施対象学年を計画では小学校第3,4,5学年としていたが,第4学年だけに対象を絞りこまざるを得なかった。上記の理由により,本研究は概ね順調に推移していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の2年目である2017年度には,実験授業で得られたデータの分析を行い,実際の授業におけるフィードバックの実施状況の学級規模による違いを明らかにする。 なお,2017年度には公立小学校での実験授業を当初計画していたが,研究経費の充足率が約5割であったため,公立小学校での実験授業を実施するための予算がない状況であり,2017年度での実験授業の実施を見送らざるを得ない。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは,実験授業実施校に赴く旅費を節約したことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験授業実施校に赴き,授業担当者との結果分析の打ち合わせの旅費として使用する計画である。
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