2017 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study of class size effect on teachers' feedback on pupils: with immediate and continuous measurement of pupils' body movement frequency.
Project/Area Number |
16K13480
|
Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
山森 光陽 国立教育政策研究所, 初等中等教育研究部, 総括研究官 (60370079)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 学級規模 / 課題従事行動 / 机間指導 / 実験研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
授業を受けた学習者全員を,また授業時間全体を対象として,学級規模による授業中の児童の課題従事行動と,教師の児童に対する関わりの違いを検討することが本研究の目的である。この目的を達成するために,小学校第4学年社会科を対象に,32-35人,20人,10-15人程度の学級を実験的に編制し,各学級に対して同一指導案による2時間の実験授業を実施し以下二つの事項を検討した。第一は,加速度計内蔵のウエアラブルセンサを用いて,身体の揺れにともなう周波数を即時的・経時的に計測し,授業時間全体における児童ごとの周波数のばらつきの程度を学級規模の大小による比較である。第二は,児童全員のうち授業中に教師による机間指導を受けた児童の割合の,学習集団の規模による違いを検討するとともに,各児童が机間指導を受ける回数の分散に対する学習集団規模等の要因の寄与の大きさの検討である。 その結果,学級規模が大きいほど,他の児童と比べて授業中の身体運動が逸脱する児童が多くなることが示された。課題従事行動と見なしうる行動にともなう身体の揺れの周波数は0Hzを上回ること,課題従事行動とは見なせない行動にともなう周波数は2.5Hzを上回るという先行研究の結果を踏まえると,学級規模が一定以上の条件で,本研究で実施した実験授業のような指導案に基づく一斉指導を行った場合,身体の揺れ,すなわち動きがなく,課題従事を含む各種行動をとっている時間が少ない児童が出現する可能性と,さらに学級規模が大きくなると,課題従事行動とは言えないような大きな身体の動きをとる児童が出現する可能性が示唆された。また,各児童が机間指導を受けた回数の分散に対する学級規模,教師,児童の各要因の寄与の大きさを検討するために分散成分を推定し,その割合を求めた結果,学級規模が教師の机間指導の実施に与える寄与は比較的大きいことも示唆された。
|