2016 Fiscal Year Research-status Report
小学校複式学級における理科指導法の「実践知」の解明
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16K13581
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
内ノ倉 真吾 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (70512531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下古立 浩 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (90785453)
山元 卓也 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (80785436)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 複式学級 / へき地・小規模校 / 学年別指導 / 同単元指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、一人の教師が一つの教室で異なる複数の学年の授業を行うという学習集団の組織編成方法である「複式学級(Multi-Graded Classes)」に着目して、小学校複式 学級における理科指導法について、教師が保持・活用している実践的知識を解明することを目的とする。 平成28年度では、文献調査として、第一に、国内外の複式関連学級研究、第二に、理科教師 の専門的知識研究、第三に、教育方法学・教育史研究、教育委員会の複式学級指導資料についての文献・資料の収集・分析を行い、複式学級の教科指導に関する歴史的な推移や校内外での研究実践状況を把握した。 鹿児島県の複式学級で比較的取り入れられているガイド学習が、北海道日高地区の教育実践を基にして開発されたものであることや昭和30年代には文部省が同単元指導を推奨していたことを文献に基づいた把握した。国際比較調査として、第一に、国際機関で発行している複式学級の指導資料の収集 ・分析および、ドイツのオルデンブルク大学での情報収集を通じて、発展途上国ばかりではなく、先進国でも複式学級の設置が一定割合あることや日本と同様の課題が指摘されていることを確認した。フィルード調査として、鹿児島県鹿児島市、日置市、姶良市の小学校を訪問して、現在の複式学級で指導形態として、学年別指導・同単元指導、ガイド学習が主たる指導形態であること、これらの指導形態は複数の教科との組み合わせや他学年担当の教師との連携のもとに展開されていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度中に、小学校複式学級や教員研修に詳しい研究分担者を追加して、国際比較調査やフィールド調査を共同・分担して円滑に進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
事前の研究計画に従って、研究分担者との緊密な連携の下に、(1)文献調査(小学校教師の他教科の専門的知識や職能開発、社会的言 語論や非言語的コミュニケーション論の検討)、(2)国際比較調査(アメリカの教育研究機関Education Northwestが発行する複式学級の指導資料の収集・分析)、(3)インタビュー調査(北海道・山形県などの鹿児島県外の教員養成大学・教育委員会での調査)、(4)フィールド調査(鹿児島県内の公立小学校で複式学級における理科授業の観察・分析)を進める。
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Causes of Carryover |
平成28年度では、鹿児島県内の離島域の小学校を複数回訪問する予定であったが、研究協力打合せの都合により、訪問することができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度では、鹿児島県内の離島域の小学校でのフィールド調査を実施する予定である。
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