2018 Fiscal Year Research-status Report
小学校複式学級における理科指導法の「実践知」の解明
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16K13581
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
内ノ倉 真吾 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (70512531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下古立 浩 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (90785453)
山元 卓也 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (80785436)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 複式学級 / 小規模学級 / へき地 / 教科指導 / 実践的知識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で、諸外国・単式学級・他教科との比較や児童の学習過程の実態把握も踏まえて、小学校複式学級における理科指導法について、教師が保持している実践的知識を解明することを目的とする。 (1)文献調査では、第一に、国内外の複式関連学級研究(例えば、廣、2014)、第二に、理科教師の専門的知識研究(例えば、Appelton, 2005)、第三に、マルチモダリティ論(例えば、Kress,2001;八木、2012)、第四に、教育方法学・教育史研究、教育委員会の複式学級指導資料についての文献・資料の収集・分析を行った。(2)国際比較調査では、国際機関で発行している複式学級の指導資料(例えば、UNESCO,1988)を収集 ・分析した。(3)インタビュー調査と(4)フィールド調査では、鹿児島県内の本土域と離島域の学校を訪問して、教育課程資料を収集して分析するともに、校長・教頭に対して教育課程の編成・運用に関する実際に関する聞き取りを行った。教育課程の編成としては、AB年度方式の学校は見られず、学年別指導のカリキュラム構成が取られていることを確認した。また、複式学級での国語科・算数科・理科の授業をそれぞれ参観して、教科共通および独自の指導方法の抽出を試みた。学級(教科)担当の教師に対しても、インタビュー調査を実施して、授業構成上の課題や工夫を探った。教職経験の浅い教師にとっては、単式学級での教科指導の基本的な指導技術の習得と複式学級独自の指導法を同時に習得しなければならず、負担感も大きいことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フィールド調査では、鹿児島県内の離島域の学校を訪問することにしていたが、日程調整等の都合により十分な訪問機会を得ることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の課題を踏まえて、早期の日程調整を行ってフィールド調査を進めることにしたい。
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Causes of Carryover |
フィールド調査では、鹿児島県内の離島域の学校を訪問することにしていたが、日程調整等の都合により十分な訪問機会を得ることができなかったため、それに係る調査費用(旅費や消耗品費等)で次年度使用額が生じた。次年度では、フィールド調査としての鹿児島県内の本土域・離島域の学校訪問を含めた旅費等として使用する。また、研究に必要な物品の購入に充てる。
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[Book] 初等理科教育2018
Author(s)
吉田 武男、大高 泉
Total Pages
224
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
9784623083671