2017 Fiscal Year Annual Research Report
Dirac electron system with Ca 3d electrons as a high performance thermoelectric material
Project/Area Number |
16K13664
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡本 佳比古 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90435636)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 洋一 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (60750312)
山影 相 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (90750290)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 熱電変換 / ディラック電子 / カルシウム化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
高性能な熱電変換材料を、ディラック電子系のCa化合物を中心とする新材料探索により開発することを目的とした。その結果、以下の(1)-(3)の成果を得た。 (1) 逆ペロフスカイト酸化物Ca3MO Ca3PbOとCa3SnOは小さいギャップが開いたディラック点をもつ物質の一つとして知られている。代表者らは焼結体試料を合成し、熱電特性を測定することで、Ca3SnOにおいて金属的な電気抵抗率の温度依存性を示しながら、室温で100 μVK-1に達する大きな熱起電力が現れることを見出した。 (2) 線ノードディラック半金属CaAgX CaAgX (X = As, P)が、波数空間の線上で繋がったディラック点をもつ線ノードディラック半金属(ノーダルライン半金属)であることを見出した。スピン軌道結合が弱く実質的に線ノードが保たれるCaAgPは線ノード半金属の理想的な候補物質であり、線ノード上で小さなスピン軌道ギャップが開くCaAgAsはトポロジカル絶縁体となる。CaAgAs単結晶を用いた各種物性測定により、線ノードに起因するトーラス状のフェルミ面の直接観測に初めて成功した。 (3) 1次元テルル化物Ta4SiTe4 Ta4SiTe4の針状結晶が、100-200 Kにおいて2 mΩcm程度の低い電気抵抗率と、-400 μVK-1を超える大きな負の熱起電力を示すことを明らかにした。元素置換により、出力因子は最大170 μWcm-1K-2 (250 K)に達し、現在室温付近で実用される材料の水準を大きく上回る。Ta4SiTe4の高い熱電特性には、小さいスピン軌道ギャップが開いたディラック点が、一次元性の強いバンド上に開いた特徴的な電子構造が重要な役割を果たしていると考えられる。このような「小さいギャップが開いた一次元ディラック半金属」は、熱電変換材料開拓の新指針となりうる。
|
-
[Journal Article] Observation of Dirac-Like Energy Band and Ring-Torus Fermi Surface Associated with the Nodal Line in Topological Insulator CaAgAs2018
Author(s)
Daichi Takane, Kosuke Nakayama, Seigo Souma, Taichi Wada, Yoshihiko Okamoto, Koshi Takenaka, Youichi Yamakawa, Ai Yamakage, Taichi Mitsuhashi, Koji Horiba, Hiroshi Kumigashira, Takashi Takahashi, and Takafumi Sato,
-
Journal Title
npj Quamtum Materials
Volume: 3
Pages: 1(1-6)
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-