2017 Fiscal Year Research-status Report
月面における水のその場分析に向けた、宇宙機搭載用分光同位体分析装置の開発
Project/Area Number |
16K13875
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
橋爪 光 茨城大学, 理学部, 教授 (90252577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 千博 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (10230509)
時田 茂樹 大阪大学, レーザー科学研究所, 講師 (20456825)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 水分子 / 同位体組成 / 光学分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、今後の宇宙生命探査における基盤技術となる、宇宙機搭載用の水同位体計測装置を開発する。水は、惑星が生命を育むために最も重要な物質と考えられている。天体における水の供給、保持、散逸過程を解明するためには、微量な水が脆弱な状態で天体表面に束縛されたその現場を正確に理解する必要がある。これには、地球帰還試料・隕石分析や、天体上空からのリモートセンシングに加えて、天体表面におけるその場分析が必要である。月面は、惑星・水探査技術の確立に向けた格好の場である。月面着陸機搭載のその場分析装置により、固有の大気・海洋を持たない月面における、微量な水の実像とその挙動を解明することを目指す。 本研究にて開発を進める水分子同位体分光分析装置は従来より格段に小型化された装置である。赤外光源・ミラー及び光検出器という少数の軽量部品を核としたコンパクトな装置でありながら、高感度・高精度同位体分析が実現するのが特長である。本年度において、水分子の酸素・水素同位体分析に向けて、キャビティ・リングダウン・スペクトル(CRDS)分析の手法確立を進めた。ハード面の取組としては、同位体分析の原理実証が可能な試作機を完成させ、同位体分析を試行することが出来た。同位体比分析精度は、まだ劣るが、精度に影響を及ぼす具体的な原因を複数発見することが出来、今後の展望を見通すことが出来る様になった。これと並行し、ソフト面では、HITRANデータベースを用いた解析から、同位体分析に及ぼす温度変動の影響などを定量的に見積もることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハード面の取組として、CRDS同位体分析の原理実証ラインを構築し、同位体分析を試行する事ができた。初回データにおいて、CO2テストガスに対する炭素同位体分析精度は9%と、最終目標にはまだ距離のある成績だったが、装置が振動を拾うためにリングダウンのトリガーが予期せぬ所で掛かっていることなど、原因の究明が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、装置の振動対策や温度変動対策を施すことにより、同位体分析精度の向上が見込まれる。また、初回同位体分析試行時には、扱いやすさからCO2テストガスを用いたが、今後、実際の水分子を用いた同位体分析を進める。
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Causes of Carryover |
本研究における試作機による原理実証実験の進展に伴い、改良すべき点が明らかになったことに伴い、いったん設計の改良に専念することにしたため。平成30年度において、生じた次年度使用額を用い、除震対策や定温維持機構を盛り込んだ装置を構築し、再び実証実験を行う事を計画している。
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